【経営統合協議】青銀、みち銀行員に衝撃 経済界「メリット生まれれば」

青森銀行とみちのく銀行が経営統合に向けた協議に入った―との報道が流れた4日、地元経済界には衝撃が走った。地盤の青森県で競合関係にある両行は昨年10月、包括的連携の検討開始に合意していたが、1年もたたずに経営統合の可能性が浮上。寝耳に水だった.....
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 青森銀行とみちのく銀行が経営統合に向けた協議に入った―との報道が流れた4日、地元経済界には衝撃が走った。地盤の青森県で競合関係にある両行は昨年10月、包括的連携の検討開始に合意していたが、1年もたたずに経営統合の可能性が浮上。寝耳に水だった両行の行員は「いずれは統合もあるとは思っていたが…」「まさかの急展開だ」と困惑を隠さない。一方、経済関係者にも驚きは広がったが、将来的な統合を予期しており、「地域経済にメリットが生まれればいい」との受け止めを示す。[br] 両行は包括的連携の一環として、今年7月から現金自動預払機(ATM)の利用手数料の相互無料化をスタート。関係強化による取り組みが動き出していた。青銀の男性行員は「経営統合の話は行内で聞いていなかった。本当に驚いた」と困惑の色を浮かべ、「昨年の連携のことがあったので話題には上っていたが、まさかこんなに早い展開だとは思わなかった」と話す。[br] 地銀を巡っては、超低金利の長期化や人口減少を背景に、全国的に合従連衡の動きが表面化している。みち銀の男性行員は「政府が地銀再編を後押ししていることもあって、将来的な経営統合や合併は予想できていた」としつつ、「まだ先のことだと認識していた。経営環境が変化する中、同じ県内でパイを奪い合っても仕方ないとの判断なのだろう」との見方を示す。[br] 八戸市のある経営者は、ライバル関係だったはずの両行の“急接近”を感じ取っていた。「地銀を取り巻く環境は厳しい。業務提携を決めた時点で、その先の統合が視野に入っていたのではないか」と語る。[br] 別の経済関係者は「両行が一緒になれば、県内の大半を支配する銀行が誕生する」と指摘。「取引関係にある地元企業にとっては、競争がなくなることでプラスとマイナスの部分があるだろう」との見解だ。[br] 八戸商工会議所の河村忠夫会頭は「具体的な内容が分からない」とした上で、「事実ならば、時代の流れでやむを得ないのでは。経営統合によって経営基盤は強くなる。その効果で地域経済にメリットが生まれればいい」と強調する。