八戸市の製造品出荷額5691億円 北東北で2年連続2位/18年

製造業の事業所から出荷した製品の総額などを示す「製造品出荷額等」について、八戸市と岩手県金ケ崎町が北東北の市町村別でトップを争う状況が続いている。最新の2018年実績では、八戸は5691億円で金ケ崎(6123億円)に次ぐ2年連続の2位となり.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 製造業の事業所から出荷した製品の総額などを示す「製造品出荷額等」について、八戸市と岩手県金ケ崎町が北東北の市町村別でトップを争う状況が続いている。最新の2018年実績では、八戸は5691億円で金ケ崎(6123億円)に次ぐ2年連続の2位となり、首位奪還はならなかった。ただ、11年の東日本大震災以降では最高水準の金額で、復興の歩みとともに上昇基調で伸長。食料品製造業は東北6県の中でもトップクラスだ。製造業の多様な産業構造を形成し、地域経済を押し上げている。[br] 工業・製造分野の規模を示す指標の製造品出荷額等は、年間の製造品出荷額、加工賃収入額、生産工程で出た廃物の出荷額などの合計額。経済産業省が毎年実施する工業統計調査のデータを基に、八戸市は独自に集計し、東北地方の他市町村と比較、分析している。最新の18年実績は、同省が8月下旬に公表した。[br] 直近5年間分の実績を見ると、八戸と金ケ崎が北東北で1、2位を争う“デッドヒート”を繰り広げている。14、17、18年は金ケ崎が首位に立ち、15、16年は八戸がトップを獲得した。[br] 大手自動車メーカーの大規模工場がある金ケ崎に対し、八戸の特徴は幅広い産業構造にある。臨海工業地帯に集積する素材産業をはじめ、水産・畜産加工といった食料品製造、金属加工などの事業所が立地する。[br] 八戸の製造品出荷額等は、バブル景気を含む1989~93年は5年連続で5千億円の大台を突破。その後は一時、4千億円を下回るまで減少したが、03年から増加に転じ、08年に過去最高の5891億円となった。11年の東日本大震災で影響を受けたものの、近年は上昇基調で推移している。[br] 市の調査によると、18年実績は前年比で350億円増加。東北6県での順位は前年から二つ上げて6位、全国では142位だった。青森県の製造品出荷額等(1兆7793億円)に占める割合は3割を超えた。[br] 業種別では、食料品製造業が1054億7300万円で最多。飲料・たばこ・飼料製造業が909億2800万円、鉄鋼業が879億900万円、パルプ・紙・紙加工品製造業が815億7300万円で続いた。[br] 前年比で増加幅が大きかったのは、鉄鋼業の113億3300万円増、生産用機械器具製造業(314億6千万円)の71億4600万円増、飲料・たばこ・飼料製造業の60億2200万円増などで、全体的にアップした業種が多かった。[br] 一方、前年を下回ったのは、プラスチック製品製造業(52億3100万円)の4億3千万円減、はん用機械器具製造業(15億6900万円)の3億3500万円減などで、大きくダウンした業種が少なかった。[br] 市産業労政課の小笠原了課長は取材に「市内には多種多様な製造業の事業所があり、景気の波に左右されにくい安定した産業構造を築いている」と分析。「今後も地元企業の産業力強化や企業誘致の取り組みを進めたい」としている。