「負けない。」八戸市内老人ク、待望の活動再開に笑顔

マスク着用で童謡や歌謡曲を歌う参加者。感染防止のため、声量も抑える=8月下旬、八戸市根城8丁目の市総合福祉会館
マスク着用で童謡や歌謡曲を歌う参加者。感染防止のため、声量も抑える=8月下旬、八戸市根城8丁目の市総合福祉会館
新型コロナウイルス感染拡大防止のため行事などの自粛を余儀なくされていた、八戸市内の老人クラブが活動を再開し始めている。市老人クラブ連合会(古戸良一会長)は、9月以降の一部催しについて規模を縮小して行うと決定。加盟団体が拠点とする市内の公民館.....
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 新型コロナウイルス感染拡大防止のため行事などの自粛を余儀なくされていた、八戸市内の老人クラブが活動を再開し始めている。市老人クラブ連合会(古戸良一会長)は、9月以降の一部催しについて規模を縮小して行うと決定。加盟団体が拠点とする市内の公民館にも7月以降、笑顔が戻りつつある。老人クラブの活動は、感染による重症化のリスクを心配する声の一方、高齢者の生きがいや居場所づくりにつながっており、早期の再開を望む声があった。感染予防策に工夫を凝らし再出発を図る。[br] 市老連は市内24地区137の老人クラブで構成。約5千人の会員がおり、スポーツやレクリエーションなどを通じて、地域の人たちと交流を深めている。[br] 新型コロナを巡っては、政府による4月の緊急事態宣言を受け、各地の公共施設が休館。活動に利用してきた市内の多くの老人クラブもあおりを受けた。[br] 「ずっと外に出るのが怖くて、友人と話もできなかった」。是川地区に住む大江和子さん(73)は今春を振り返る。[br] 大江さんが参加する、音楽に合わせて体操を行う自主クラブ「是川サークル」は、宣言解除後も自粛が続き、青森県内の感染状況が落ち着き始めた7月上旬に活動を始めた。地域住民約20人が毎週木曜に是川公民館で、1時間半にわたり汗を流す。互いの距離を保ち、マスクを着用するなど対策を施し、暑い日は熱中症の危険を考慮して、こまめに休憩も入れる。[br] クラブ代表の武田テイ子さん(75)は「高齢者は運動不足になりがち。自粛期間は気がめいったけど、誰一人欠けることなく活動を再開できてよかった」と笑顔を見せる。会員の後村幸子さん(80)は「今年は地域の夏祭りや運動会も中止。つらかったが、仲間と運動できるようになり、気持ちが晴れた」と喜ぶ。[br] 音楽療法士で講師の山道敦子さん(47)のピアノ伴奏に合わせ、童謡や歌謡曲を歌う、市老連主催の「健口ゆるうたクラブ」。8月下旬、同市根城8丁目の市総合福祉会館で活動を再開し、待ちわびた市内の28人が集まった。行政の指導で、カラオケや会食は強く自粛を求められているため、常時マスクを着用し、声量も抑えるよう徹底する。[br] 山道さんは「マスク越しでも、大きく口を開けたり、声を出したり、みんなで話をして笑い合うことで、健康が保たれる」と意義を強調する。[br] 市老連の古戸会長は「60~70代の就労拡大を背景にクラブや会員は減少の一途をたどっているが、高齢者の地域内でのつながりが希薄になることは大変さびしいこと。コロナ対策を徹底しながら、会員が健やかな日々を送れるようにしたい」と話す。マスク着用で童謡や歌謡曲を歌う参加者。感染防止のため、声量も抑える=8月下旬、八戸市根城8丁目の市総合福祉会館