夏から秋にかけて旬のプラムの生産量が近年、青森県南地方で増加している。他の果樹に比べて作業負担が軽く、手頃なフルーツとして安定した需要があることが要因。八戸農協管内の販売量と販売金額は5年間で2倍近く増加しており、産地としての存在感が高まっている。[br] プラム生産は南部町や三戸町で盛んに行われており、サクランボやリンゴなど、他の果樹と併せて栽培する生産者が多い。[br] 同農協の果樹総合部会プラム・プルーン専門部の合計販売数量と販売額は、2014年に170トン、6129万円だったが、17年に販売額1億円超えを達成。19年は319トン、1億3859万円まで伸び、果樹ではリンゴに次ぐ規模となっている。[br] 背景について、三戸営農センターの担当者・古戸卓さん(31)は「農協で苗木の購入資金を補助するなどし、生産に力を入れてきた。栽培の負担が比較的軽く、選果はセンターの機械で行うので出荷の手間も少ない」と解説する。[br] 「大石(おおいし)早生(わせ)」や、南部町発祥の「紅香(べにか)の雫」など、さまざまな品種があり、7月から9月まで収穫が続く。手頃感のある果物として、量販店を中心に安定した需要があり、県内のほか、関東や関西の市場にも出荷されている。[br] 今年は天候不良の影響で結実量が少ない分、肥大が良好でまずまずの品質だという。[br] 15年ほど前から栽培している南部町の男性(72)は、「値段が安定しているので助かる。一箱当たりの重さが軽いので作業の負担が少なく、長く続けられる」と作物としての魅力を語った。