【八戸三社大祭】「伝統は私たちがつなぐ」高3“祭りっ子”思い新た

伝統は私たちがつないでいく―。山車の合同運行中止の悔しさをばねに、マチニワでお囃子を披露した武部史玖さん(左)と佐々木瑛捺さん=2日、八戸市
伝統は私たちがつないでいく―。山車の合同運行中止の悔しさをばねに、マチニワでお囃子を披露した武部史玖さん(左)と佐々木瑛捺さん=2日、八戸市
伝統は私たちがつないでいく―。八戸三社大祭は3日、八戸市三日町のマチニワで山車組がお囃子(はやし)などを披露した。山車組関係者による独自の企画で、31日の開幕から連日、八戸のまちに元気を届けている。盛り上げに一役買っているのが、次世代を担う.....
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 伝統は私たちがつないでいく―。八戸三社大祭は3日、八戸市三日町のマチニワで山車組がお囃子(はやし)などを披露した。山車組関係者による独自の企画で、31日の開幕から連日、八戸のまちに元気を届けている。盛り上げに一役買っているのが、次世代を担う“祭りっ子”たち。中でも進学などで地元を離れる高校3年生の生徒たちは、特別な思いで笛の音を響かせながら、「これからも祭りを支えていきたい」と思いを強くしている。[br] 「小さい頃から、ずっとうまくなりたいという思いで、お囃子の練習をしてきた。行列の中止は残念なんて言葉だけでは言い表せない」。[br] 幼稚園のころからの幼なじみで、約12年間、共に切磋琢磨(せっさたくま)してきた、朔日町附祭の武部史玖(ひとき)さん(17)=八戸西高3年=と、佐々木瑛捺(えな)さん(17)=八戸北高3年=は悔しさをにじませる。[br] 共に来年は進学で地元を離れる予定で、高校最後の夏を祭りに全力投球するつもりだったからだ。[br] 二人が思い描いていた“夏”とは違ったが、それでも、伝統の山車が飾られたマチニワで、お囃子を披露できたことに感謝している。「少しだけど、笛や太鼓をたたけた。やっぱりお祭りは最高」と笑顔をはじけさせた。[br] 今年、山車運行が中止になったからこそ、祭りへの思いをより強くした。山車組の高齢化や、若者がさらに減っていく現状に強い危機感を抱く。[br] 武部さんは「山車を制作するには若い力が必要。高校卒業後も、制作に携わって伝統をつないでいきたい」と強調。佐々木さんも「山車組の維持には門付けも不可欠。昨年から参加しているが今年はできなかったので、来年以降もできる限り協力したい」と力を込めた。[br] コロナ禍は二人の進路にもじわりと影響を与えている。各校のオープンキャンパスが次々と中止になり、選択の幅が減った。加えて、この時期の関東や関西地方へ進学は、どうしても慎重になってしまう。「やっぱり東北地方の大学か。できるだけ八戸に近い方がいいかも」と胸中を明かす。[br] 発祥301年目を迎える来年こそは、コロナ禍を乗り越え、盛大に山車行列が行われると信じている。「この悔しさを来年、晴らしたい」。次の100年に向け、既に若者たちは前を向いている。伝統は私たちがつないでいく―。山車の合同運行中止の悔しさをばねに、マチニワでお囃子を披露した武部史玖さん(左)と佐々木瑛捺さん=2日、八戸市