日本銀行青森支店は30日、青森県内の金融経済概況(同日現在)を発表した。県内の景気について「一部に持ち直しの動きがあるものの、厳しい状態が続いている」との見方を示し、前回(6月10日)から判断を変更。新型コロナウイルスの影響で経済活動の停滞が続いているが、外出自粛の緩和により、個人消費や生産の一部で改善が見られる現状を反映した。[br] 景気判断の表現は5、6月と2カ月連続で「悪化している」とし、リーマン・ショック時の「厳しい状況」と同程度としてきた。だが、県境をまたいでの移動自粛が解除されるなど、経済情勢の変化を踏まえ、7月は文言を変えた。[br] 個人消費は、前回の「減少している」から「財(物)の消費を中心に下げ止まりつつある」に改善。在宅時間の長期化で家電販売やホームセンターで増加の動きが見られ、百貨店や乗用車販売では減少幅が縮小した。観光では県民向けの宿泊キャンペーンなどで下支え効果はあるものの、依然として厳しさが続く。[br] 生産については「弱含んでいる」との判断を維持。業務用、医療用機械や鉄鋼、紙などは減少が続くが、電気機械はパソコン向けや車載向けの増加で持ち直しが見られるという。[br] 金融情勢では、新型コロナ対応で各金融機関が積極的に融資に応じていることなどを背景に、貸し出しが伸びていると指摘した。[br] 勝浦大達支店長は「国内外の経済水準に合わせ、緩やかに回復するのが基本線」とし、「今後は第2波、第3波などで景気に波が出てくる。長期的な経済回復には、雇用や設備投資の維持を注視する必要がある」と述べた。