天鐘(7月5日)

「和風」には日本的な情緒や味わいがにじむ。梅雨が明ければ活躍する浴衣や甚平。外国人には扇子や風呂敷、手ぬぐいなどが人気らしい。ステーキやハンバーグも大根おろしを添えれば罪悪感が少し薄まる▼風の強さも示す。目測の基準となる0~12の階級のうち.....
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 「和風」には日本的な情緒や味わいがにじむ。梅雨が明ければ活躍する浴衣や甚平。外国人には扇子や風呂敷、手ぬぐいなどが人気らしい。ステーキやハンバーグも大根おろしを添えれば罪悪感が少し薄まる▼風の強さも示す。目測の基準となる0~12の階級のうち、和風は4。風速なら毎秒5・5~7・9メートルに相当する。砂ぼこりと紙片が舞い、白波がたつ程度というから、やや強め。たこ揚げに適しているらしい▼なるほど、夏の政界に吹くのは和風か。「今秋しかない」「年明け後が望ましい」と観測気球が飛ぶ。来年9月に自民党総裁、翌月には衆院議員が任期満了を迎える。ポスト安倍の思惑も絡み、解散風がざわめく▼疑惑を引きずり、コロナ対応は混迷し、政治とカネが痛撃に。急落した内閣支持率を浮揚させる妙手が見当たらない。ならば突破口は野党共闘のほろこび。傷口を最小限に抑えたい。政治は常に打算的というが▼現政権は「リセット」「目くらまし」との批判にも動ぜず、解散の大権を駆使しながら危機を回避してきた。危険水域に片足を突っ込んだまま、宿願の憲法改正へ大ばくちの“伝家の宝刀”を振るうのか▼首相は自ら解散風をあおったことがある。「風は気まぐれ、コントロールできない」。露骨な政治的発言だが、本人が自覚せずとも実は的を射ていた。そう、一票で政治の風向きを決めるのは国民である。