最後の競り、入札終わる/八戸みなと漁協 

八戸みなと漁協として最後の競りを行う担当者(左側の2人)=20日、八戸市第3魚市場
八戸みなと漁協として最後の競りを行う担当者(左側の2人)=20日、八戸市第3魚市場
八戸市魚市場の卸売業務一本化を控え、八戸みなと漁協(岡沼明見組合長)は20日、漁協として最後の競り、入札を終えた。旧八戸漁連を前身とする同漁協と、株式会社八戸魚市場(川村嘉朗社長)により46年間続いてきた市魚市場の複数卸売体制は幕を閉じた。.....
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 八戸市魚市場の卸売業務一本化を控え、八戸みなと漁協(岡沼明見組合長)は20日、漁協として最後の競り、入札を終えた。旧八戸漁連を前身とする同漁協と、株式会社八戸魚市場(川村嘉朗社長)により46年間続いてきた市魚市場の複数卸売体制は幕を閉じた。週明けの22日からは八戸魚市場が単独で卸売業務を担う。円滑な運営に向け人員配置などが課題となる。[br] 20日は午前7時から最後の競りと入札がスタート。漁協の競り人はカレイやメバル、タイなどを威勢良く仲買人に販売した。約1時間で業務は終了。同日の取り扱いは漁協分が数量8・6トン、金額194万円、魚市場分は5・9トン、275万円だった。[br] 漁協の担当者の一人は「高校を卒業してから30年、ずっと漁協で(卸売を)やってきたから…」と肩を落とした。競り人は「(卸売からの撤退に)何も言えない。ただ、がっかりだ」と本音を漏らした。[br] 仲買人も複雑な表情。ある男性は「水揚げ回復の見通しはなく、厳しい状況に変わりはない。八戸も養殖など新たな対策を考えた方がいいのではないか」と話した。[br] 漁協は同日付で卸売業務を担う「市場部」を廃止。担当の21人(現業19人、事務2人)のうち7人が魚市場に転籍し、5人が漁協内の他部署へ異動、9人が退職する。[br] 一方、魚市場の卸売業務担当者は現在約30人。従来の2者体制では計50人ほどが回していた業務を、一本化後は35人余りが担う形になり、実質的には人員減となる。[br] 来年供用開始予定の荷さばき施設D棟(小中野)にも、人員を振り分ける必要が生じる。越後正幸取締役は「これまでの業務を維持できるか。漁業者の理解も得ながら取り組みたい」と課題を挙げる。市場開設者である八戸市の間英昭市水産事務所副所長は「沿岸漁業者へのサービス低下がないよう、スムーズに進めてほしい」と語った。[br] 八戸港では1933年に同社が水産物卸売業務を開始。73年に旧八戸漁連が参画、2者体制となり、漁連の経営破綻後の2003年からは八戸みなと漁協が事業を引き継いだが、近年はスルメイカやサバなどの漁獲低迷で収益が悪化。漁協は今年になって、卸売業務からの撤退を決めた。 八戸みなと漁協として最後の競りを行う担当者(左側の2人)=20日、八戸市第3魚市場