【新型コロナ】「はちのへゆーゆらんど新八温泉」今月末で閉館／市内最大規模の温泉施設、２９年の営業に幕

2020年5月26日 6:00

新型コロナウイルス感染拡大の影響で閉館する「はちのへゆーゆらんど新八温泉」＝２５日、八戸市長苗代

八戸市長苗代にある市内最大級の温泉施設「はちのへゆーゆらんど新八温泉」が、今月３１日の営業をもって閉館することが２５日、運営会社への取材で分かった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で利用が落ち込み、収束が不透明な状況の中で事業継続は困難と判.....

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　八戸市長苗代にある市内最大級の温泉施設「はちのへゆーゆらんど新八温泉」が、今月３１日の営業をもって閉館することが２５日、運営会社への取材で分かった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で利用が落ち込み、収束が不透明な状況の中で事業継続は困難と判断した。施設で働く従業員５９人は全員解雇となる。市内では宿泊型の総合健康ランドの先駆けとして地元客らに親しまれてきたが、約２９年にわたる営業に幕を下ろす。施設の土地と建物について、運営会社は「利活用の方向性は今後、検討したい」としている。[br]　新八温泉は不動産業「２１世紀」（岩手県北上市、金山正行社長）が運営。１９９１年に「はちのへ健康ランド　ビッグスパ」の名称で開業し、９２年に岩手県北自動車（盛岡市）が経営権を引き継いで現在の施設名に変更した。その後、２００９年４月に事業譲渡を受け、２１世紀が運営と不動産の所有を続けてきた。[br]　天然温泉を利用した大浴場や露天風呂などを有し、宿泊用の客室は全３９室。館内には食事処や宴会場、リラックスルームもある。[br]　同社によると、感染拡大のあおりを受け、宿泊や飲食、宴会を中心に利用が減少。一時的に緊急事態宣言の発令が全国に広がったこともあり、外出自粛が客足の低下に拍車を掛けた。[br]　担当者は取材に「新型コロナウイルスの収束の先行きが見えず、苦渋の決断だが営業継続を断念した」と説明。「八戸は銭湯文化が盛んな地域で、長きにわたり多くの方々に支援していただいた」と述べ、これまでの愛顧に謝意を示した。[br]　日帰り入浴の営業は６月１日午前０時で終了。宿泊客には同日朝のチェックアウトまで対応する。従業員は６月２５日付で解雇となるが、可能な範囲での再就職支援を検討するという。[br]　新八温泉の出入り口には２５日、閉館を知らせる掲示板が設置され、利用客には驚きと困惑が広がった。八戸市河原木の７０代男性は「突然の閉館にびっくりした。八戸の中では大きい温泉でよく利用していたが、コロナで閉めてしまうのは本当に残念」と話した。[br]　地元の経済関係者は「宿泊機能を備えた温泉施設として、青森県外から訪れる観光客やビジネス客の利用も多かった。地域の観光産業などに影響が及ぶ可能性もある」と懸念を示した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で閉館する「はちのへゆーゆらんど新八温泉」＝２５日、八戸市長苗代