天鐘(5月13日)

ゴリラは筋骨隆々。たくましい見た目もあって、多くの人は勇猛な動物とイメージする。立ち上がり、両腕(前脚)を振って胸をたたく「ドラミング」は迫力満点。“森の王者”の貫禄を示すに余りある▼相手を威嚇していると思いきや、無用な争いを避けるため自ら.....
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 ゴリラは筋骨隆々。たくましい見た目もあって、多くの人は勇猛な動物とイメージする。立ち上がり、両腕(前脚)を振って胸をたたく「ドラミング」は迫力満点。“森の王者”の貫禄を示すに余りある▼相手を威嚇していると思いきや、無用な争いを避けるため自らの存在を伝えている。知能が高く、怒りを抑え込む術を知る。故にストレスをため込み、時に下痢をしてしまうのだとか。繊細な心の持ち主である▼『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)の受け売りである。意外な生態を紹介する児童書は、小学生に大人気。チーターは足が速いのに弱すぎ。カメムシは自分の臭いで気絶してしまう。なるほど、面白い▼少し抜けていたり、どことなく哀れだったり。「ざんねん」だから肯定ではないが、全面的な否定でもない。クスッと笑える絶妙なタイトルもいい。そして、本当に「残念」なのは今の政治である▼検察官の定年延長は「密」な関係にある検事長の論功らしい。検察組織の独立性が揺らぐ。批判は勢いを増し、著名人の“ツイッターデモ”が広がる。それでも、やはりゴリ押しするのだろうか。お友達優遇、強行は十八番(おはこ)である▼コロナ対応は優柔不断だが人事は果断に。法改正は危機のどさくさに紛れて―。「残念な政治事典」は簡単に作れそうだ。ページをめくると政権の素顔が浮かび上がってくるが、笑顔では読めない。