天鐘(4月5日)

4月5日は語呂合わせで「横(45、よこ)丁の日」。いつ誰が決めたか分からないが、なかなか日の当たらない横丁にたまには日が差し込むようにとの配慮だろうか。だが、その人情豊かな横丁は今、コロナ禍で深刻な状況らしい▼藩政期の八戸は城郭を囲む武家町.....
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 4月5日は語呂合わせで「横(45、よこ)丁の日」。いつ誰が決めたか分からないが、なかなか日の当たらない横丁にたまには日が差し込むようにとの配慮だろうか。だが、その人情豊かな横丁は今、コロナ禍で深刻な状況らしい▼藩政期の八戸は城郭を囲む武家町は重臣、下級武士の順、町人町も表と裏に町割りされていた。城下の狭さは如何ともし難く、通りは細い小路でつながれ、庶民憩いの場は専ら屋台や“家飲み”だったようだ▼18年前の新幹線開業に合わせて誕生したみろく横丁は、横丁ブームの火付け役にもなった。26店が居並ぶ屋台村は地元のシンボルであり、オールジャパンの知名度を誇る▼古くは藩政期に牢屋(ろうや)が置かれた鷹匠小路(ロー丁)と長横町を小路で結ぶれんさ街、その南側に昭和の温もり漂う五番街やたぬき小路…。風情が異なる八つの横丁が散在、それぞれ長年にわたり愛されてきた▼昭和期には水産業、新産都市指定で工業、近年は観光やビジネス客が支えてきた。だが、今コロナが街から人影を奪い景気は悪化の一途。先は見えないが、感染ピークと経済の底はまだ先であることは間違いない▼世界は人口の半分39億人が自宅待機中で、生き残るためには「動くな!」という時勢。第2次世界大戦以来の危機と言うが、世相に敏感な横丁は藩政時代以来の危機に瀕(ひん)している。コロナが眩(まぶ)し過ぎる「横丁の日」である。