八戸市教委定めた「えんぶりの日」効果はいかに?

「えんぶりの日」で八戸市内の市立小中学校が休日となった17日、一斉摺りには多くの子どもたちが訪れた=八戸市中心街
「えんぶりの日」で八戸市内の市立小中学校が休日となった17日、一斉摺りには多くの子どもたちが訪れた=八戸市中心街
八戸えんぶりが開幕した17日は、八戸市教委が定めた「えんぶりの日」。地元の郷土芸能に触れてもらおうと、市内の市立小中学校が一斉に休みとなり、メインイベントの一斉摺(ず)りは、多くの子どもらでにぎわった。中には教員引率の下、希望者を募って学校.....
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 八戸えんぶりが開幕した17日は、八戸市教委が定めた「えんぶりの日」。地元の郷土芸能に触れてもらおうと、市内の市立小中学校が一斉に休みとなり、メインイベントの一斉摺(ず)りは、多くの子どもらでにぎわった。中には教員引率の下、希望者を募って学校単位で鑑賞に訪れる小学校も。一方、市教委は会社勤めの保護者らに年次有給休暇の取得を促し、家族でえんぶりを楽しむよう呼び掛けたが、仕事を休んできたとみられる大人はまばらで、実際は休暇の取得がなかなか難しい一面も浮かび上がった。[br] えんぶりの日は、えんぶり組の後継者が減少傾向にあることなどを踏まえ、子どもたちの鑑賞機会を増やすために昨年度に制定。市立小中学校は、毎年えんぶり初日の2月17日を休業日とし、原則として部活動も行わない。初年度だった昨年は日曜日で、今年は制定後初めての平日となった。[br] この日はあいにくの雨に見舞われたが、一斉摺りが始まる午前10時40分ごろには小雨となり、沿道には観光客に混じって多くの子どもたちが集まった。[br] 市立八戸一中2年の細越朝陽さん(14)は、同級生の演目を見るために友人と一緒に初めてえんぶりを鑑賞。「せっかく休みになったので見に来ようと思った。(友人の)普段とは違う姿が新鮮だった」と、スマートフォンでカメラに収めていた。父親と見にきた市立三条小3年の山口航太朗君(9)は「みんな寒い中頑張っていた。来年はえんぶりに挑戦してみたい」と意欲的だった。[br] 市立八戸小(大浦和典校長)は、校内で希望者を募り、3年生20人が一斉摺りを鑑賞。初めて一斉摺りを見たという駒井圭翔(けいと)君(9)は「太夫の動きがそろっていてすごい。祝福芸の玉すだれもいろいろな形になるのが不思議」と興味津々の様子だった。[br] 一方、市教委は、年次有給休暇の取得を促す厚生労働省と連動。「仕事休もっ化計画」と称し、えんぶりの日に保護者も休暇を取って鑑賞するよう呼び掛けたが、大人たちはなかなか平日に休みづらい実態も浮かんだ。[br] 親子で訪れた同市大久保、主婦高橋みきさん(39)は、伝統行事をみんなで楽しむ「えんぶりの日」制定を歓迎。ただ、実際には夫が仕事で、一緒に見られなかったことから「休みを取りやすい仕組みを行政がつくってほしい」と注文をつけた。[br] 八戸市湊町、自営業秋山政勝さん(34)は、えんぶりの日に賛同した上で「会社の都合でどうしても休めない人もいるので、えんぶり期間外でも、近くの土日に見られる機会を設けてもいいのでは」と提言した。「えんぶりの日」で八戸市内の市立小中学校が休日となった17日、一斉摺りには多くの子どもたちが訪れた=八戸市中心街