外来のチョウ・アカボシゴマダラ、生息域拡大 餌競合で在来種に悪影響も

 羽化する、特定外来生物に指定されているアカボシゴマダラ=12日、福島県いわき市
 羽化する、特定外来生物に指定されているアカボシゴマダラ=12日、福島県いわき市
特定外来生物に指定された中国原産のチョウで、1990年代から関東地方で増えているアカボシゴマダラが東北、中部地方などにも生息域を広げている。餌となるエノキの葉は、オオムラサキやゴマダラチョウなど在来種と競合するため悪影響が懸念される。 福島.....
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 特定外来生物に指定された中国原産のチョウで、1990年代から関東地方で増えているアカボシゴマダラが東北、中部地方などにも生息域を広げている。餌となるエノキの葉は、オオムラサキやゴマダラチョウなど在来種と競合するため悪影響が懸念される。[br][br] 福島県いわき市小名浜の海岸近くに生える高さ約1メートルのエノキで12日、3センチほどのさなぎが羽化する様子が確認できた。[br][br] 在野の研究者で専門書「新・福島県の蝶」を出版した渡辺浩さん(59)=同県石川町=によると、アカボシゴマダラはタテハチョウの仲間で、7~9センチになる大型のチョウ。国内では奄美諸島に亜種が生息するが、90年代から埼玉県などで中国大陸から持ち込まれたアカボシゴマダラが見つかり始め、生息域を広げてきた。[br][br] 環境省や専門家によると、関東1都6県のほかに福島、新潟、山梨、長野、静岡の5県で確認。北海道や宮城、山形、愛知、京都、大阪、兵庫でも目撃例がある。[br][br] 1年に複数回、羽化する。渡辺さんによると、夏に羽化し羽に赤い斑紋がある夏型、春に羽化し赤い斑紋のない春型がいる。数が増えすぎれば、在来種とエノキの葉の取り合いとなる恐れがある。[br][br] 渡辺さんは「飛ぶ能力が高く、生息地が日本中に広がる可能性が高い。きれいなチョウだが売買などで移動させないでほしい」と呼び掛けている。[br][br] 環境省は2018年、奄美亜種を除くアカボシゴマダラを特定外来生物に指定し、輸入や飼育を原則禁止している。 羽化する、特定外来生物に指定されているアカボシゴマダラ=12日、福島県いわき市