千キロ先の故郷へ “鉄人”2度目の挑戦 原田さん(おいらせ出身)、徒歩で被災地慰問

知人や家族に見送られて出発する原田俊美さん(左手前)
知人や家族に見送られて出発する原田俊美さん(左手前)
年齢なんて関係ない。前を向いて歩き続ければ、いつかゴールにたどり着く―。おいらせ町出身の原田俊美さん(75)が15日、自宅のある千葉県浦安市から東日本大震災の被災地沿岸を徒歩で縦断し、約1100キロ先の故郷を目指す「応援・慰問のトコトコ歩き.....
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 年齢なんて関係ない。前を向いて歩き続ければ、いつかゴールにたどり着く―。おいらせ町出身の原田俊美さん(75)が15日、自宅のある千葉県浦安市から東日本大震災の被災地沿岸を徒歩で縦断し、約1100キロ先の故郷を目指す「応援・慰問のトコトコ歩き旅」に出発した。古希を前にした最初の東日本踏破から6年。今なお生活再建の途上にある被災者を勇気づけようと、鉄人の挑戦が再び始まった。[br][br] 「気を付けていってらっしゃい!」。知人らの声援を背に受けた原田さんが午前10時すぎ、自宅近くのスタート地点を笑顔で踏み出した。着替えなどを詰め込んだ重さ8キロほどのリュックサックを背負い、「本当のゴールは無事にわが家に戻ること」と気を引き締めた。[br][br] 長年経営した都内の印刷会社から身を引いて間もない2014年5月、古本屋で出合った一冊に感化された。日本列島を歩いて縦断したニュージーランド人の旅行記。ちょうど70歳の節目も控える人生に新たな挑戦を探し求めていた。「青森までの東日本800キロならいけるかな」。1年かけて体力づくりに励み、15年7月に国道4号を北上するルートで浦安―おいらせ間を42日間で完歩した。[br][br] そんな原田さんには、かつて訪ねた福島県で忘れられない光景がある。原発事故の影響で人の息遣いが消え、荒れ果てた浜通りの街並み。「もう1回歩かないと旅は終わらない」。震災から10年が近づくに連れて沸き立つ思いが再挑戦へと突き動かした。[br][br] 過酷で孤独な旅のつらさは十分知っているが、「75歳のじいさんが必死に歩く姿を通じて『私も、もう少し頑張ろう』と思ってくれたら」。今回は50日余りで古里にたどり着く旅路を描く。[br][br] 町のふるさと大使としても活動する原田さん。帽子には町のイメージキャラクター「おいらくん」が描かれ、「町の魅力を1人でも多く紹介していきたい」と意気込んだ。旅の様子はツイッター(https://twitter.com/oirasetaishi)で見ることができる。知人や家族に見送られて出発する原田俊美さん(左手前)