【ワシントン共同】2001年9月11日の米中枢同時テロの首謀者で、国際テロ組織アルカイダの指導者だったウサマ・ビンラディン容疑者が、パキスタンで米軍特殊部隊の急襲作戦により殺害されてから1日(現地時間2日)で10年となった。同時テロ後に米軍がアフガニスタンで始めた「テロとの戦い」が長期化した中、容疑者殺害は「唯一の純粋な勝利」(米紙ワシントン・ポスト)とも指摘されるが、テロの脅威は今も各地で残っている。[br][br] 殺害作戦は当時のオバマ大統領が命令。オバマ政権で副大統領を務めたバイデン大統領は4月28日の施政方針演説で「ビンラディンに裁きをもたらした。アフガンでアルカイダのテロの脅威を低下させた」と強調し、完全撤退の時だと訴えた。[br][br] アフガンでは、駐留米軍が同時テロ20年となる9月11日までの完全撤退に向け撤収を始めた。反政府武装勢力タリバンの攻勢で治安が不安定化しており、無責任な撤退との批判も出ている。[br][br] 11年の殺害作戦では、海軍特殊部隊SEALS(シールズ)が、最新鋭ヘリコプターでパキスタンの首都イスラマバード近郊のアボタバードにある隠れ家を急襲。米空母でビンラディン容疑者の遺体を水葬する儀式が行われた。[br][br] オバマ氏は、バイデン氏やクリントン国務長官(当時)ら政権幹部と共に、ホワイトハウスの一室のモニターで作戦をリアルタイムで見守った。[br][br] オバマ氏は1日までに公開した動画で「ビンラディンが実際にアボタバードにいるのか、パキスタンが作戦を知ったらどう反応するのかなど、大きな不確定要素があった」と振り返り、作戦を実行した特殊部隊員らをたたえた。