厚生労働省は20日、新型コロナウイルスに感染した職員が新たに10人判明したと公表した。3月末時点で老健局に所属していた感染者は計27人に増え、厚労省は、調査している国立感染症研究所が「クラスター(感染者集団)と言って差し支えない」との見解を示したと、明らかにした。[br][br] 新たな判明者のうち5人は同局老人保健課が3月下旬に深夜まで開いた宴会に出席。これまで7人の感染が分かっており、宴会参加者23人のうち、半数以上の12人が感染した。厚労省や同研究所見解によると、ウイルスが局内に持ち込まれたのは3月中旬以降とみられ、トイレや水飲み場、電話機など職場の共用部分を通じ感染が広がった可能性がある。感染経路は複数あり、宴会との因果関係特定は困難とした。[br][br] 感染者が相次いだことを受けて厚労省が呼び掛けた自主的なPCR検査などにより、感染が分かった職員もいた。老健局職員と4月に転出した職員約180人のうち、155人で陰性が確認できた。保健所の調査のほか、同研究所が指導、調査を行っている。[br][br] ウイルスの局内侵入が3月中旬以降とみられるのは、最初の感染判明が4月上旬だったことや、この宴会に参加、不参加だった人の両方が感染していたことが理由という。同省は共用部分の消毒を改めて徹底する。[br][br] 宴会は東京都が午後9時までの営業時間短縮を要請していた3月24日に東京・銀座で開催。職員23人が参加し、午後11時50分ごろまで続いた。