【厚労省職員の深夜宴会】「雰囲気壊せず」中止意見ゼロ

 厚生労働省深夜宴会の経過
 厚生労働省深夜宴会の経過
厚生労働省の職員23人が3月24日、新型コロナウイルス感染が拡大する中、東京・銀座で深夜まで宴会を開いた。厚労省の説明によると「雰囲気を壊せない」との考えから、誰も中止を言い出さなかった。 ▽感謝 23人は介護保険制度を担当する老健局老人保.....
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 厚生労働省の職員23人が3月24日、新型コロナウイルス感染が拡大する中、東京・銀座で深夜まで宴会を開いた。厚労省の説明によると「雰囲気を壊せない」との考えから、誰も中止を言い出さなかった。[br][br] ▽感謝[br] 23人は介護保険制度を担当する老健局老人保健課に所属。厚労省は国会質疑で、東京など1都3県に緊急事態宣言が発令されていた3月8日、課長(当時)が開催を提案したと明らかにした。[br][br] 宴会の発覚を受けた厚労省の調査に対し、課長は「一緒に頑張った仲間に感謝の意を表する場を用意したかった」と話した。宣言が解除されなければ予約を取り消すつもりだった。[br][br] 政府の新型コロナ感染症対策分科会は2月25日に「宣言解除後も歓送迎会を控え、会食は4人までで行うべきだ」と提言していた。問題の宴会があった飲食店の責任者は取材に「昨春以来、20人規模での予約は他に記憶がない」と語っている。[br][br] 東京都は宣言解除の決定後も、飲食店に対して午後9時までの営業時間短縮を求めている。予定通り開催するかどうか部下から相談された課長は「宣言が明けたのでやってよいのではないか」と応じた。厚労省調査に対し、参加者らは「雰囲気を壊したくない」「あいさつぐらいはした方がいい」と、当時の心境を吐露した。[br][br] ▽10人送別[br] 厚労省が野党議員に示した資料に宴会当日の詳細が記載されている。課長が店に到着した午後7時15分に開始。最後の職員は10時半に着いた。課長は11時20分まで残り、11時半以降に退店した職員が13人もいた。宴会は11時50分ごろに終わった。23人のうち送別対象だったのは10人。費用は合計20万7590円で、職員が積み立てている親睦会費から支払った。[br][br] 厚労省の調査では、コース料理が終わった後も個別に食事やビールを注文していた。[br][br] 課長は減給とともに事実上の更迭、19人が訓告や注意の処分を受けた。[br][br] 国民の多くが感染拡大を防ぐため、歓送迎会などを控えている。感染対策の推進役の「無自覚な行動」(中川俊男日本医師会会長)に対する批判は収まりそうにない。 厚生労働省深夜宴会の経過