「健康寿命延ばしたい」細胞研究の岩手大准教授・尾﨑さん(八戸出身) 共同研究で新発見も

研究成果について説明する尾﨑拓さん。多くの人を健康で長生きにすることが目標だ=岩手大 
研究成果について説明する尾﨑拓さん。多くの人を健康で長生きにすることが目標だ=岩手大 
人生100年時代を、健康で長く生きてほしい―。体の細胞内で起きる現象を研究する八戸市出身の岩手大理工学部准教授・尾﨑拓さん(39)が、生涯をかけて取り組んでいるテーマだ。岩手大と弘前大はこのほど、尾﨑さんら両大学の共同研究チームの新たな発見.....
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 人生100年時代を、健康で長く生きてほしい―。体の細胞内で起きる現象を研究する八戸市出身の岩手大理工学部准教授・尾﨑拓さん(39)が、生涯をかけて取り組んでいるテーマだ。岩手大と弘前大はこのほど、尾﨑さんら両大学の共同研究チームの新たな発見が、オランダの国際学術誌に掲載されたと発表した。「細胞を元気に保つ方法を解明し、みんなの健康寿命を延ばす」。大きな目標を実現するため、研究活動に没頭する日々は続く。 [br][br] 尾﨑さんらのチームの発見は、細胞の生存に必須の働きを担うミトコンドリアに関するもの。ミトコンドリア内にある「カルパイン―5」という物質が、不良タンパク質の蓄積で生じる「小胞体ストレス」に応答して活性化することを、世界に先駆けて報告した。[br][br] 加齢などから蓄積される小胞体ストレスは、アルツハイマー病や糖尿病、がんなどに深く関与しており、今回の発見から関連疾患の治療が期待されるという。チームは今後、創薬研究への展開を目指している。[br][br] 尾﨑さんは青森県立八戸高から弘前大、さらに大学院へ進み博士号を取得。同大の特別研究員や大学院助教を経て、2016年2月に岩手大の准教授に就任した。[br][br] 加齢でなぜ細胞の機能が低下するのか、細胞の老化を防ぐにはどうしたらいいのか―。こうしたことを徹底的に調べ、論文にまとめて発表する研究漬けの生活を送ってきたが、同大に来てからは教育活動や大学運営にも携わるようになり、さらに多忙な日々を送っている。それでも「学生の成長する姿から、逆に元気をもらっている」とやりがいを感じている。[br][br] 尾﨑さんの将来の夢は、研究を基に認知症や網膜疾患の治療薬を開発し、世に送り出すこと。加えて、健康に良い地元食材を使って、サプリメントの開発や機能性表示食品の登録を進めたいと考えている。[br][br] 「多くの人を健康で長生きにし、地元食材を売り出すことで地域経済を活性化できたら、こんなにうれしいことはない」。八戸出身の研究者は、何よりも人々の幸せを願っている。研究成果について説明する尾﨑拓さん。多くの人を健康で長生きにすることが目標だ=岩手大