北海道新幹線開業から5年 798万人利用、高速化が課題

開業から5年が経過した北海道新幹線。10年後には札幌延伸が迫る
開業から5年が経過した北海道新幹線。10年後には札幌延伸が迫る
北海道新幹線は26日で開業から5年を迎えた。JR北海道によると、新青森―新函館北斗間(約149キロ)の利用者(2月末時点)は累計約798万人に上る。津軽海峡を越え、「北の大地」と本州最北を結ぶ高速鉄道網は、地域経済の発展や観光振興に欠かせな.....
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 北海道新幹線は26日で開業から5年を迎えた。JR北海道によると、新青森―新函館北斗間(約149キロ)の利用者(2月末時点)は累計約798万人に上る。津軽海峡を越え、「北の大地」と本州最北を結ぶ高速鉄道網は、地域経済の発展や観光振興に欠かせない存在となった。10年後には札幌延伸が予定され、さらなる交流人口の拡大が期待される。青函トンネル内の高速走行実現が、利用促進に向けた課題となる。[br][br] 北海道新幹線は1973年に整備計画が決定し、新青森―新函館北斗間は2005年に着工。県内では「奥津軽いまべつ駅」(今別町)が唯一新設され、16年3月に開業した。[br][br] 青函連絡船時代に約4時間かかった青森―函館間は、青函トンネル開通で約2時間で結ばれ、新幹線開通によって最短57分と大幅に短縮。利便性は大きく向上した。[br][br] 30年度には札幌延伸を控え、さらなる利用拡大が見込まれる。ただ、札幌を往来する手段には所要時間で鉄路に勝る空路があり、競争を勝ち抜くには一層の時間短縮の向上が欠かせない。そこで鍵を握るのが車両の高速化だ。[br][br] JR北海道は札幌―東京間で最速4時間半を目標に掲げる。達成に向けては、貨物列車との線路共用に伴って生じている、青函トンネルを含む青函共用区間(約82キロ)の減速走行を改善しなければならない。[br][br] 国土交通省とJR北は、同区間の時速260キロ走行を想定し、安全性向上に向けたシステムの導入や高速走行の試験を進めている。[br][br] 20年の年末年始には、貨物列車とすれ違わない時間帯を設け、トンネル内での210キロ走行を実施。21年5月の大型連休中にも走行試験を行う方針だが、全区間・全ダイヤの高速走行のめどは立っていない。[br][br] 県交通政策課の舩木久義課長は「開業により青函の交流が増え、観光や企業活動などでプラス効果があった」と強調し、「今後は高速化が課題となる。さらに利用を促すためにも、引き続き国へ高速走行を働き掛けていく」と述べた。[br][br] 北海道新幹線は現在、新青森―新函館北斗間を1日26本、八戸―新函館北斗間は18本、東京―新函館北斗間は20本が運行。八戸―新函館北斗間を最短1時間22分、東京―新函館北斗間を3時間57分で結んでいる。開業から5年が経過した北海道新幹線。10年後には札幌延伸が迫る