五輪聖火リレースタート 121日間で列島巡る

 聖火ランナーを務めたお笑いコンビ「南海キャンディーズ」の「しずちゃん」こと山崎静代さん=25日午後0時10分、福島県いわき市
 聖火ランナーを務めたお笑いコンビ「南海キャンディーズ」の「しずちゃん」こと山崎静代さん=25日午後0時10分、福島県いわき市
新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期された東京五輪の聖火リレーが25日、東日本大震災から10年の福島県からスタートした。大会理念の「復興五輪」を象徴する場所として、東京電力福島第1原発事故の収束作業の拠点となったサッカー施設「Jヴィレ.....
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期された東京五輪の聖火リレーが25日、東日本大震災から10年の福島県からスタートした。大会理念の「復興五輪」を象徴する場所として、東京電力福島第1原発事故の収束作業の拠点となったサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)を出発。7月23日の開会式で国立競技場の聖火台に点火されるまで、121日間をかけて日本列島を巡り、約1万人のランナーが聖火をつなぐ。[br][br] 首都圏の緊急事態宣言は解除されたが、新規感染者数は各地で増加傾向にあり、感染防止に配慮した安全な運営が最大の焦点になる。[br][br] 第1走者は、震災が起きた2011年のサッカー女子ワールドカップ(W杯)で優勝した日本代表「なでしこジャパン」の当時のメンバーがグループで務めた。[br][br] 出発式はコロナ対策で一般客を入れず、出席者を絞り込み簡素化。大会組織委員会の橋本聖子会長は「日本と世界の希望が詰まった大きな光となり、国立競技場に到着することを祈念する」と述べた。福島県の内堀雅雄知事は「私たちの復興の歩みは、どんな困難も乗り越えられるという力強いメッセージとなって、聖火を希望のともしびとして輝かせる」とあいさつした。菅義偉首相は出席を見送った。[br][br] 第1原発が立地し、大部分が帰還困難区域となっている双葉町では、昨年避難指示が解除された双葉駅前をランナーがたどった。南相馬市では津波で両親と2人の子どもを亡くした上野敬幸さん(48)が走った。富岡町で炎が消えたが、ランタンを使って再点火されリレーを続けた。[br][br] 県内には原発事故で今も7市町村に帰還困難区域が残り、約3万6千人が避難生活を継続。復興は道半ばで復興五輪に複雑な思いを抱く被災者もいる。[br][br] 著名人ランナーの辞退が相次ぎ、一部自治体からは中止や縮小を求める声が上がる。組織委は、沿道の観客に密集回避やマスク着用、拍手での応援を呼び掛ける。過度な密集が発生した場合には当該場所の走行取りやめも検討する。 聖火ランナーを務めたお笑いコンビ「南海キャンディーズ」の「しずちゃん」こと山崎静代さん=25日午後0時10分、福島県いわき市