柏崎刈羽「運転禁止」命令 「東電に資格ない」

 東電柏崎刈羽原発に対する事実上の運転禁止命令について、記者会見で説明する原子力規制委の更田豊志委員長=24日午後、東京都港区
 東電柏崎刈羽原発に対する事実上の運転禁止命令について、記者会見で説明する原子力規制委の更田豊志委員長=24日午後、東京都港区
原子力規制委員会は24日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の核物質防護不備問題を巡り、東電に対し、核燃料の原子炉装塡など、燃料の移動を禁じる是正措置命令を出す方針を決めた。事実上の運転禁止命令。禁止期間は「自律的な改善が見込める状.....
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 原子力規制委員会は24日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の核物質防護不備問題を巡り、東電に対し、核燃料の原子炉装塡など、燃料の移動を禁じる是正措置命令を出す方針を決めた。事実上の運転禁止命令。禁止期間は「自律的な改善が見込める状態」になるまでとした。東電に弁明の機会を与えた上で正式決定する。[br][br] 東電が目指す同原発7号機の再稼働は今後1年半は進まない見通しとなった。規制委の更田豊志委員長は記者会見で「東電には柏崎刈羽で燃料を移動させる資格がない」と述べた。[br][br] 規制委は、第三者による原因分析結果や改善計画を半年以内に報告するよう東電に求めており、報告を受けて東電側への検査に着手する方針。問題への東電本社の関与も詳しく調べ、結果次第でさらなる処分も検討する。検査期間について、更田氏は「1年以内に全部終わるとはとても考えられない」と話した。[br][br] 会合では、原子炉設置許可取り消しや1年以内の運転停止などの選択肢を検討。更田氏は「柏崎刈羽原発の核物質防護が十全なものかどうか確認しきれていない。(燃料移動を禁止すれば)防護が強化される」として、現時点では是正措置命令が妥当との認識を示し、他の委員も賛同した。燃料は現在、使用済み燃料プールに保管されている。[br][br] 規制委や東電によると、昨年3月以降、計15カ所で核物質防護設備が故障し代替措置も不十分だったため、テロ目的などの侵入を検知できない状態だったことが、今年2月の規制委の検査で判明。規制委は安全重要度を最悪レベルの「赤」と評価し、7号機の原子炉起動手続きを当面保留することを決めた。[br][br] 今年1月には、所員が同僚のIDカードで中央制御室に不正入室していたことも判明している。[br][br] 原子炉等規制法に違反するとして規制委が措置を命じるのは、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県、廃炉中)を巡り、2013年に日本原子力研究開発機構に命令して以来、2例目。商業炉では初。[br][br] 今回の処分は事故対策などの安全管理を直接対象としたものではないが、更田氏は「(核防護に関する)検査が進む中で、東電の姿勢や管理体制に根本的な原因があるとなったら(設置許可取り消しなどの)より手前に戻った議論が必要になる」とした。[br][br] 柏崎刈羽原発は、6号機が12年3月に定期検査で停止して以降、全7基が停止中。 東電柏崎刈羽原発に対する事実上の運転禁止命令について、記者会見で説明する原子力規制委の更田豊志委員長=24日午後、東京都港区