大学入試センターは24日、2025年1月以降の大学入学共通テストの出題教科・科目案を発表した。現行の6教科30科目から、新たに「情報」を加え7教科21科目に再編。パソコンを使ったテスト方式(CBT)は調査研究を続けるとし、導入を見送る。22年度から実施される高校の新学習指導要領に対応し、現在の中学2年生からが対象となる。文部科学省が今夏までに正式決定する。[br][br] 新指導要領では、プログラミングなどを学ぶ「情報1」、日本と世界の近現代史を学ぶ「歴史総合」、主権者として必要な資質を育む「公共」などが新たな必修科目となり、共通テストでの対応が求められていた。センターは受験生の検定料に収入の大半を依存しており、18歳人口が減少する中、30科目では作問などの負担が重いとして、試験のスリム化を図った。[br][br] センターは「歴史総合」「地理総合」「公共」「情報」のサンプル問題をホームページに公表。「情報」では比例代表選挙の各政党の当選者数を決めるプログラム作成を想定した問題があった。[br][br] 地理歴史は「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」「地理総合、地理探究」に、公民は「公共、倫理」「公共、政治・経済」に科目構成を変更した上で、地理歴史と公民を組み合わせた「地理総合、歴史総合、公共」を設ける。[br][br] 数学と同時間帯に実施している「簿記・会計」と「情報関係基礎」は廃止。理科の基礎系4科目は一つにまとめる。[br][br] 外国語は現行と同じ5科目で、英語はマークシート式試験と、ICプレーヤーでのリスニングを実施。ドイツ語や韓国語など4科目は受験者が少なく、センターは将来的に出題の有無を検討する必要性を指摘した。[br][br] 現行指導要領で学ぶ現在の中3生は浪人すれば新共通テストを受けるため、配慮の方法などを早急に検討する。導入が見送られた英語の民間検定試験や記述式については、文部科学省で有識者の議論が続いており、必要があれば対応する。[br][br] センターの白井俊・試験企画部長は「思考力などを重視する点は一貫していくと思う」と語った。