【センバツ開幕】国民的イベント成否注目 今後の試金石に

 マスクを着用して第93回選抜高校野球大会の開会式リハーサルに臨む各校の選手ら=18日午前、甲子園球場
 マスクを着用して第93回選抜高校野球大会の開会式リハーサルに臨む各校の選手ら=18日午前、甲子園球場
第93回選抜高校野球大会が19日に兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕する。昨年は新型コロナウイルス禍で、選抜大会と夏の全国選手権大会が中止となり、球児は2年ぶりに春の聖地に立つ。感染防止対策を講じた国民的な人気イベントの成否は、今後の高校スポー.....
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 第93回選抜高校野球大会が19日に兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕する。昨年は新型コロナウイルス禍で、選抜大会と夏の全国選手権大会が中止となり、球児は2年ぶりに春の聖地に立つ。感染防止対策を講じた国民的な人気イベントの成否は、今後の高校スポーツの在り方にも影響を与えそうだ。[br][br] ▽悲壮な決意[br][br] 選抜大会前に、出場32校の選手、監督らを対象にしたPCR検査で、チーム関係者計1057人全員の陰性が確認された。検査の結果次第では、出場ができなくなる可能性もあった。日本高野連の八田英二会長は「全員陰性が確認され、胸をなで下ろしている。部員たちの健康を最優先に考え、安全、安心な大会運営を目指す」と語った。[br][br] 昨年は、大会前に政府が高校などへの一斉休校を要請。感染状況が悪化する中、日本高野連は一度は無観客での開催を模索したが、開幕の約1週間前に中止の決断を下した。球児が号泣する姿を見てきただけに、小倉好正事務局長は「今年こそは、という思いがある」。悲壮な決意を口にしていた。[br][br] ▽交流試合で実績[br][br] 1月中旬には、甲子園球場がある兵庫県に緊急事態宣言が発令された。悪化する感染状況に、日本高野連の関係者は「宣言中にこんな大会をするのか、という周囲の目もある」と吐露。だが、選抜大会開催の可能性を追求する姿勢に揺らぎはなかった。[br][br] 昨夏、甲子園球場で開催した交流試合が無事終了。各校が1試合ずつ、6日間だけのイベントでも実績を積めたのは大きかった。さらにPCR検査の実施に踏み切った。プロ野球やサッカーのJリーグ、ラグビーのトップリーグで検査は日常化しているが、高校スポーツ界では異例だ。高野連の関係者は「選手を守るという観点でPCR検査を設けたのは一つの大きなポイントだった」と語る。[br][br] ▽一つの試金石[br][br] コロナ禍の中、今冬に開催された全国高校ラグビー大会は全試合が実施されたが、全国高校バスケットボール選手権は男女計7チームが欠場、棄権。全日本バレーボール高校選手権は優勝候補が欠場し、不戦敗となった。[br][br] 日本高野連の選手を最優先にした感染症対策は、今後の高校スポーツイベントのモデルケースになり得る。81年ぶり4度目の優勝を狙う県岐阜商の鍛治舎巧かじしゃたくみ監督は「選抜は全国的な規模の大会。一つの試金石になると思う。そういう模範を示せれば一番いい」と意義を強調した。 マスクを着用して第93回選抜高校野球大会の開会式リハーサルに臨む各校の選手ら=18日午前、甲子園球場