「ウサギ寺」で多頭飼育崩壊/新潟・佐渡

 排せつ物が残る小屋の中で密集して生活するウサギ=1月15日、新潟県佐渡市(近藤陽子さん提供)
 排せつ物が残る小屋の中で密集して生活するウサギ=1月15日、新潟県佐渡市(近藤陽子さん提供)
巨大なウサギ観音像が立ち、多数のウサギが飼われ「ウサギ寺」とも言われる新潟県佐渡市の長谷寺(ちょうこくじ)が、飼育状態が過密で不衛生だと問題視され、佐渡保健所から複数回の改善指導を受けていたことが2日分かった。最多時には貸し出しも含め約14.....
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 巨大なウサギ観音像が立ち、多数のウサギが飼われ「ウサギ寺」とも言われる新潟県佐渡市の長谷寺(ちょうこくじ)が、飼育状態が過密で不衛生だと問題視され、佐渡保健所から複数回の改善指導を受けていたことが2日分かった。最多時には貸し出しも含め約140匹がいたといい、大量繁殖で十分に飼育できない「多頭飼育崩壊」に陥ったとみられる。[br][br] 富田宝元住職(80)は取材に「飼い方がおかしかった」と認め、去勢手術などで飼育数を減らすとした。住民が清掃に協力するなど、地域が支援する動きも出ている。[br][br] 住職によると、飼育するウサギのうち一部は境内の雑草を食べるよう放し飼いにし、その他を縦約4メートル、横約3メートルの小屋で飼育。市内の小学校や家庭にも子ウサギを貸し出しており、全て合わせると多いときで約140匹いたという。[br][br] 一方で環境が悪化しているとの情報もあり、昨年末から地域住民らが確認をすると、小屋内で30匹以上が飼育される過密状態で、排せつ物がたまり、死骸や負傷したウサギが多数見つかった。[br][br] 佐渡保健所は2月末、環境省告示の「家庭動物等の飼養および保管に関する基準」に基づき、オスとメスの飼育を分け繁殖制限に取り組むこと、負傷したウサギを治療させることなどを求めた。[br][br] 長谷寺は807年の開基とされる。住職によると、境内には国登録有形文化財が15棟あるが檀家(だんか)は40軒ほどで、修理費の確保が困難だったため、約15年前から除草のためウサギを飼い始めた。2018年には参拝者が増えればと800万円の寄進を受け、高さ約6メートルのウサギ観音像を建立。注目されるようになった。[br][br] 環境改善に向け、昨年末からは地元のボランティア4人が協力を始めた。小屋を週に数回清掃し、去勢手術を受けさせている。譲渡先も探し飼育数は徐々に減り始めた。[br][br] ボランティアの一人、新潟県動物愛護推進員の近藤陽子さん(38)は「ウサギは命あるものでちゃんと苦しみを感じる。せっかくいいお寺なのだから、健康を保ち、丁寧に育てるよう改善してほしい」と話している。 排せつ物が残る小屋の中で密集して生活するウサギ=1月15日、新潟県佐渡市(近藤陽子さん提供)