【米ワクチン供給】人種、所得での偏りに懸念

 1日、米ロサンゼルスでモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンを接種する女性(左)(AP=共同)
 1日、米ロサンゼルスでモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンを接種する女性(左)(AP=共同)
【ワシントン共同】三つの新型コロナウイルスワクチンが実用化された米国で、発症を抑える効果が相対的に低いとされるワクチンが非白人や低所得層に偏って供給されるとの懸念が出始めた。バイデン政権は1日、ワクチンの種類と人種や所得水準が結び付けられて.....
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 【ワシントン共同】三つの新型コロナウイルスワクチンが実用化された米国で、発症を抑える効果が相対的に低いとされるワクチンが非白人や低所得層に偏って供給されるとの懸念が出始めた。バイデン政権は1日、ワクチンの種類と人種や所得水準が結び付けられて社会に不満が生じないよう、「公平供給」を強調して火消しに回った。[br][br] 米国で実用化されたワクチンはファイザーとモデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の3種類。臨床試験では先行したファイザー、モデルナ製の有効性が95%前後で、2月27日に緊急使用許可が出たJ&J製は中等症から重症の発症率を66%抑えた。[br][br] ただ2回の接種や、それぞれ零下70度、零下20度での保管が必要なファイザー、モデルナ製に対し、J&J製は接種が1回で済み、通常の冷蔵庫でも3カ月保存できるため、地域の保健施設などを通じて幅広く普及することが期待されている。[br][br] 地域の保健施設は保険未加入の黒人や中南米系市民、低所得層の利用者が多いとされる。人種間格差の解消に取り組む団体のヘレン・ゲイル代表はワシントン・ポスト紙に「裕福な白人にはファイザー製、貧しい黒人にはJ&J製といった階層が生まれると問題だ」と警鐘を鳴らした。[br][br] 各州知事からも特定のワクチンを拒む動きが出ることに懸念の声が上がり、保健当局がJ&J製の利点を十分に周知する必要があるとの意見も出ている。政権対策チームで格差是正に取り組む公衆衛生専門家ヌニェス・スミス氏は1日の記者会見で「ワクチンの供給は、コミュニティー間で公平に進めるべきだと考えている」と強調した。 1日、米ロサンゼルスでモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンを接種する女性(左)(AP=共同)