八戸の2工業用地造成事業 20年度末で終了 

負債を前倒しして解消し、造成事業が終了する見通しとなった八戸市の桔梗野工業用地=2017年10月
負債を前倒しして解消し、造成事業が終了する見通しとなった八戸市の桔梗野工業用地=2017年10月
青森県新産業都市建設事業団(理事長・三村申吾知事)は25日、青森市で理事会を開き、八戸市から委託された桔梗野と八戸北インターの市内2工業用地造成事業を2020年度末で終了することを決めた。2工業用地の未分譲地を市に無償譲渡した上で、桔梗野の.....
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 青森県新産業都市建設事業団(理事長・三村申吾知事)は25日、青森市で理事会を開き、八戸市から委託された桔梗野と八戸北インターの市内2工業用地造成事業を2020年度末で終了することを決めた。2工業用地の未分譲地を市に無償譲渡した上で、桔梗野の負債33億円余りを他事業の剰余金などを活用し前倒しして解消する。残る金矢工業用地造成事業(六戸町)は21年度末までに委託元の県へ移管する。全ての事業完了を受け、事業団は21年度末に解散する見通しとなった。[br][br] 八戸市によると、2工業用地造成事業の分譲率は桔梗野が90・9%、八戸北インターが94・6%。桔梗野は分譲できない軟弱地盤の土地を除くと99・7%に達している。[br][br] 市は八戸北インターの分譲が進展したため、▽桔梗野の負債の早期解消▽市の財政負担の低減―を目的に、2事業の委託終了と事業会計の清算、残余資産の移管を事業団に申し入れた。[br][br] これに応じた事業団は未分譲地の桔梗野約5万8900平方メートル、八戸北インター約4万7400平方メートルを市へ無償譲渡する。[br][br] 桔梗野の負債に関しては、従来は44年度までに解消する予定だったが、前倒しする。現在の負債額33億7831万円は、既に終了した市川工業用地と八戸第2臨海工業用地(いずれも八戸市)の2造成事業の剰余金13億4200万円に加え、八戸北インターの剰余金20億1200万円などを充て処理する方針だ。[br][br] 事業団は25日の理事会で、2工業用地の土地移管、各事業会計の補正予算といった八戸市の受託事業完了に関連する5議案を原案通り可決した。[br][br] 事業団は1964年2月設立。工業用地や住宅用地の造成に向けた13事業を実施し、桔梗野と八戸北インター、金矢の3事業を除く10事業が既に完了した。[br][br] 取材に対し、事業団の笹谷匠専務理事は「新産業都市地域の産業振興や基盤整備に一定の役割を果たすことができた。受託事業の終了が視野に入り、解散に向け適切に対処していく」と述べた。[br][br] 一方、八戸市は25日の市議会議員全員協議会で概要を説明。小林眞市長は「市長就任当初から懸念していた桔梗野工業用地造成事業の負債処理を解決できる運びとなった。誠にうれしく感じ、感慨もひとしおだ」と強調した。[br][br]■桔梗野工業用地造成事業の負債[br] 1980年代に工場用地として適さない軟弱地盤が存在する問題が浮上。立地した企業からの土地の買い戻しや移転補償費、借入金の金利負担などで青森県新産業都市建設事業団の有利子負債は総額42億6200万円に膨張した。2010年に八戸市と県が事業団を財政支援することで合意。うち市の負担は28億2千万円で、市が年約8千万円ずつ35年間かけて返済する計画だった。負債を前倒しして解消し、造成事業が終了する見通しとなった八戸市の桔梗野工業用地=2017年10月