【緊急事態宣言】国体開催の愛知・岐阜も対象に 選手困惑「正直行きたくない」 

岐阜県などで開かれる国体を目指し、不安を抱えつつも調整に励む青森県スピード陣=13日、YSアリーナ八戸
岐阜県などで開かれる国体を目指し、不安を抱えつつも調整に励む青森県スピード陣=13日、YSアリーナ八戸
国が新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言の対象地域追加を発表した13日、氷都・八戸ゆかりのアスリートらに不安や動揺が広がった。追加地域の中でも愛知、岐阜の両県は「第76回国民体育大会冬季大会スケート・アイスホッケー競技会」(.....
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 国が新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言の対象地域追加を発表した13日、氷都・八戸ゆかりのアスリートらに不安や動揺が広がった。追加地域の中でも愛知、岐阜の両県は「第76回国民体育大会冬季大会スケート・アイスホッケー競技会」(今月27~31日)の開催地のため。選手や引率者らは「県代表として出場できるのは誇りだが、今回だけは行きたくないのが本音」「職場や家族に迷惑を掛けたくない。大会後にどんな対応をしたらいいのか」と、見えない“敵”への対応に悩みは尽きない。[br][br] 国体について、愛知県実行委員会事務局は13日の本紙取材に「開催する方向で準備中。緊急事態宣言を受け、無観客開催など、大会を縮小する可能性も含めて協議している」と答えた。[br][br] 青森県スポーツ協会によると、今大会に派遣されるのは、スピード、アイスホッケー、フィギュアの3競技で、選手や監督、コーチ計約70人。緊急事態宣言の発出があっても、大会が中止されない場合は、選手団の派遣を制限する予定はないというが、感染が広がる現状で派遣される選手たちの思いは複雑だ。[br][br] 大都市・名古屋が舞台となるフィギュア競技に選手を引率する予定の女性は「不要不急の外出や人の往来の自粛が求められる現状で、大会を開催することは矛盾しないか」と疑問を呈した。選手にも混乱が広がっているといい、「知人の大学生選手は、大会後2週間の出校自粛を求められているが、その期間に試験があるという。学生生活に支障を来す恐れもあるため、今からパニックになっている」と明かした。[br][br] 女性自身も大会後はホテルに滞在し、抗原検査を受けるなどの対応を自費で行う予定。「開催される以上は行かざるを得ないが、正直に言えば行きたくない」と語気を強めた。[br][br] 岐阜県恵那市が舞台のスピード競技に出場予定の成年女子選手も「大会があるなら、いい結果を出せるように頑張るだけ」と強調。ただ、緊急事態宣言下の開催地に滞在するリスクを踏まえ「行くことに抵抗はある」を不安を隠さない。[br][br] 大会後に地元へ帰ってきた後を心配する声も。愛知県長久手市などで行われる成年アイスホッケー競技に出場予定の会社員男性は「2023年開催予定の八戸国体につながる来年のシード権を取るためにも、大会が開かれるのならば全力を尽くす」と使命感に燃える。一方で「大会後は1週間ほど出社しない予定だが、ウイルスは2週間潜伏する場合もあるとも聞く。どれだけの対策で十分なのか分からない」と頭を抱えている。 岐阜県などで開かれる国体を目指し、不安を抱えつつも調整に励む青森県スピード陣=13日、YSアリーナ八戸