【MOX工場完工延期】設工認審査次第で再び見直しも

MOX燃料加工工場の延期を報告する増田尚宏社長(左)=16日、青森県庁
MOX燃料加工工場の延期を報告する増田尚宏社長(左)=16日、青森県庁
六ケ所村のMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料加工工場の完成目標を2024年度上期に延期した日本原燃。増田尚宏社長は21年春から本格的な建設工事を再開するとしたが、詳細設計の認可(設工認)の審査が思い通りに進まなければ、工程はまた見.....
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 六ケ所村のMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料加工工場の完成目標を2024年度上期に延期した日本原燃。増田尚宏社長は21年春から本格的な建設工事を再開するとしたが、詳細設計の認可(設工認)の審査が思い通りに進まなければ、工程はまた見直しを余儀なくされる。これまで使用済み核燃料再処理工場(同村)の1年後にMOX工場が完成する見通しだったが、今回の延期で完工時期のずれは2年に拡大。セットでなければ燃料は生み出せないという両工場の性格上、操業時期の整合性が問われそうだ。[br][br] 過去にMOX工場の工程を延期した際、原燃が示した工事期間は約3年。今回の延期要因となった工事量の増加と完成前に必要な使用前事業者検査、規制当局による確認の手続きを踏まえると、新たな目標までの残り時間は多くない。[br][br] 実現の鍵を握るのが設工認の審査だ。原燃は再処理工場と一体的に審査を進める方針。[br][br] ただ、規制当局は9日の面談で「面談を半年近く続けてきたが、現時点でも十分な準備ができているとは言い難い」と指摘。既に10月から12月中旬に延ばしている初回申請の審査でつまずけば、今回の工程も水泡に帰す恐れがある。[br][br] 原燃は今回初めて、事業の委託元である国の認可法人「使用済燃料再処理機構」(青森市)の要請を受け、両工場の暫定操業計画を提示。再処理してから2年以内にMOX工場で製品に加工すると定めた。[br][br] 一方で、原子力規制委員会の更田豊志委員長は「(再処理工場で)プルトニウムが生産されたら、速やかにMOX燃料に加工することが必要だ」と生産物を各工場で滞留させないよう求めている。[br][br] 増田社長は「工程を精査し、2年の延期でなんとか吸収できる(と判断した)」と自信を見せるが、再処理工場稼働後にMOX工場の完成が遅れれば、生産物が滞留する事態につながりかねない。MOX燃料加工工場の延期を報告する増田尚宏社長(左)=16日、青森県庁