東北新幹線全線開通10年 八戸―新青森間の利用者3600万人

全線開業10年を迎えた東北新幹線。今後のさらなる有効活用が期待される=1日、八戸市
全線開業10年を迎えた東北新幹線。今後のさらなる有効活用が期待される=1日、八戸市
2010年12月に東北新幹線が全線開通してから4日で10年を迎えた。東京―新青森駅間約675キロが1本のレールでつながり、七戸十和田、新青森の二つの駅が誕生。駅周辺では新たな人の流れが生まれ、七戸十和田駅は上北、下北両地方の玄関口となった。.....
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 2010年12月に東北新幹線が全線開通してから4日で10年を迎えた。東京―新青森駅間約675キロが1本のレールでつながり、七戸十和田、新青森の二つの駅が誕生。駅周辺では新たな人の流れが生まれ、七戸十和田駅は上北、下北両地方の玄関口となった。途中駅となった八戸駅も利用は堅調で、八戸圏域へのビジネス客や誘致企業の増加など経済効果も生まれた。八戸―新青森間の利用者数は今年10月末現在の累計で約3600万人。新幹線は既に北海道まで伸びており、今後、さらなる有効活用が焦点となる。[br][br] 全線開業後、新型車両のE5系「はやぶさ」が導入され、最高速度が時速320キロまでアップ。新青森―東京間の所要時間は最短2時間59分に短縮され、“3時間の壁”を突破して利便性が向上した。[br][br] しかし、開業直後の11年3月に東日本大震災が発生。全線不通となり、その後しばらくは低速走行を余儀なくされるなど厳しい出だしとなったが、同年9月に通常ダイヤで運行を再開。利用者も回復し、その後は右肩上がりに増えた。[br][br] 本数も徐々に増加。開業当初は東京―新青森間が1日15往復だったが、現在は21往復に増便。16年には、北海道新幹線新函館北斗駅が開業し、道南エリアとの結び付きも生まれた。[br][br] この10年間、新たに開業した七戸十和田駅前も様変わりした。開業に合わせてオープンしたイオン七戸十和田駅前店や、道の駅「しちのへ」の産直施設「七彩館」の効果で、買い物の中心地となり、新しい市街地が形成。観光面では十和田湖観光の拠点として利用されている。[br][br] 七戸町の小又勉町長は「駅が立地する荒熊内地区は町の中心部になっていく地域。利用しやすい駅前を目指す」と強調。同駅の岩渕弘駅長は「マイクロツーリズムの拠点として利用してもらえるよう取り組みたい」と展望を語る。[br][br] 一方、青森県は30年度末の北海道新幹線の札幌延伸を視野に、県と函館市などの道南エリアを圏域とする「津軽海峡交流圏」の形成を推進。圏域内の交流活発化と圏域外からの交流人口の拡大を目指し、青函一体となって産業振興などに取り組んでいる。[br][br] 特に観光分野では、鉄路や空路を組み合わせた「立体観光」を掲げ、圏域内の周遊を促進し、訪日外国人の取り込みなどで大きな成果を上げた。[br][br] 県の担当者は「この10年間で交流圏の基礎となるつながりができ、さまざまな分野で交流が進んだ。今後の東北新幹線高速化や札幌延伸で、単なる通過地点とならないように、交流圏をさらに発展させていきたい」と先を見据える。全線開業10年を迎えた東北新幹線。今後のさらなる有効活用が期待される=1日、八戸市