青森財務事務所は28日、青森県内の経済情勢(10月)を発表した。県内経済について「新型コロナウイルスの影響により厳しい状況にあるものの、緩やかに持ち直しつつある」とし、2017年7月以来、13期ぶりに判断を上方修正。同事務所は「感染防止と経済レベルの引き上げで消費と生産が回復傾向」とする一方、県内で感染拡大が続く現状を踏まえ、「影響に十分注意する必要がある」と先行きに懸念を示した。[br][br] 情勢判断の8項目は「個人消費」と「生産活動」で前期の判断を上方修正し、「設備投資」は下方修正した。「雇用情勢」「企業利益」「企業の景況感」「住宅建設」「公共事業」は据え置いた。[br][br] 個人消費は「緩やかに持ち直している」とし、2期連続の引き上げ。在宅時間の増加でスーパーの飲食料品、家電の冷蔵庫や掃除機が好調だった。一方、百貨店やコンビニエンスストアでは、夏祭りの中止などで来店者が減少。旅行は政府や自治体の需要喚起策で持ち直しつつある。[br][br] 生産活動は9期ぶりに上方修正し、「緩やかに持ち直しつつある」と判断した。電子部品・デバイスはモバイル関連が増加。業務用機械では事務機械や医療用器械で動きが出始めた。ただ、パルプや紙は減少が続いている。 雇用情勢は有効求人倍率や新規求人数、求職者数が前年を下回り、雇用保険受給者は増加傾向にある。[br][br] 県内企業からの聞き取りでは「巣ごもり効果で、すしやマグロなどの高級品が好調」(スーパー)、「自動車向けは生産減で低調だが、モバイル関連は新製品用の生産が増加している」(電子部品・デバイス)などの声が聞かれた。