洋野町種市の仕出し業「にしやま」は、町内の買い物困難者らを対象に実施している移動販売のさらなる可能性を見いだそうと、今夏、大学生3人をインターンシップとして受け入れた。工藤統永(むねひさ)代表(43)は「学生の意見を取り入れながら、より地域の実情に合った移動販売を展開していきたい」と意欲を見せている。[br] 学生の受け入れは、復興庁が主催する実践型インターンシップ「復興・創生インターン」の一環。今年は新型コロナウイルスの影響で、主にビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使ったオンライン形式で、7月下旬から9月上旬まで行われた。八戸市の観光地域マネジメント会社「バリューシフト」の木村優哉さん(24)がコーディネーターを務め、プランを作ったり日程調整したりした。[br] 大学生3人のうち、東京の大学2年栗林志音さん(19)は同市出身。新型コロナの影響で大学の講義がオンラインとなり、帰省していたところ、にしやまの学生受け入れを知った。ほかの2人は大阪府と茨城県からリモートで参加した。[br] 栗林さんは実際に、工藤代表と町内を移動販売で回り、利用者に普段の生活や困っていること、どんな商品が欲しいか―などをアンケート。それをズームでほかの参加者と共有し、課題解決のためにできることを話し合うなどした。[br] 栗林さんは「地域で採れた規格外の野菜を安く提供できれば、高齢者だけではなく、ひとり親世帯の利用者も増やせるのではないか」と提案。1カ月超の活動について「主体的に挑戦でき、自分の成長にもつながった。将来的に地元に貢献したいという気持ちが強くなった」と振り返った。[br] 工藤代表は受け入れを通し、「学生たちが提案してくれた新しいサービスを取り入れていけたら」と今後を見据えた。