【佐々木朗希デビュー】被災地の「希望の星」 陸前高田市長がエール

 岩手県陸前高田市の戸羽太市長=4月、陸前高田市役所(同市提供)
 岩手県陸前高田市の戸羽太市長=4月、陸前高田市役所(同市提供)
プロ野球ロッテの佐々木朗希投手(19)が16日、プロ初登板を果たした。小学3年の時に東日本大震災で父功太さん(当時37歳)と祖父母を津波で亡くしてから10年の節目でデビュー。生前の父親をよく知る岩手県陸前高田市の戸羽太市長(56)は「つらい.....
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 プロ野球ロッテの佐々木朗希投手(19)が16日、プロ初登板を果たした。小学3年の時に東日本大震災で父功太さん(当時37歳)と祖父母を津波で亡くしてから10年の節目でデビュー。生前の父親をよく知る岩手県陸前高田市の戸羽太市長(56)は「つらい中でも野球を諦めないで頑張ってプロになった。みんなにとって非常に大きな支え。希望の星です」と、うれしそうに語った。[br][br] 佐々木家とは家族ぐるみで親交があった。功太さんは陸前高田市で毎夏、山車が練り歩く「うごく七夕まつり」で中心的な役割を果たすなど地域にとって欠かせない存在だったという。[br][br] 先頭に立って山車を制作し、運行を担った。「すごく前向きで明るい。地域の若者のリーダーでした」。慕われる人柄で、その息子の朗希を見守る地域の目は優しい。「みんな自分の子どもを見るように応援しているんじゃないですか。私は変な親心もある。(試合を見るのは)緊張します」と笑顔をのぞかせた。[br][br] 2011年3月11日、陸前高田市は巨大な津波に襲われ、市役所を含めた市街地の中心部は水没した。「街がそのまま無くなった。どれくらいの方が亡くなられたか、当時は分からなかった」と表情を曇らせる。佐々木の自宅も流され、小学4年の時に母陽子さんの親族がいる同県大船渡市に引っ越した。[br][br] 今も行方不明の人がいて、被災地は人口減にも直面している。「一つの節目と皆さんに言っていただく。ただ、10年たったから元に戻るわけではない」。重い課題を抱えながらも復興に向けて歩みを進める被災地にとって、プロで一歩ずつ着実に前進する佐々木の姿は希望になっている。 岩手県陸前高田市の戸羽太市長=4月、陸前高田市役所(同市提供)