【中国、文革発動から55年】「災禍」の評価薄める動き 

 北京市内の公園にある獅子像。説明文から「文革」の文字が消えたと話題になった=14日(共同)
 北京市内の公園にある獅子像。説明文から「文革」の文字が消えたと話題になった=14日(共同)
【北京共同】中国で毛沢東(もうたくとう)が大規模な政治運動「文化大革命」(1966~76年)を発動してから16日で55年。毛沢東の偉大さを強調してきた習近平(しゅうきんぺい)指導部の下、近年は、「10年の災禍」と呼ばれた文革への否定的評価を.....
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 【北京共同】中国で毛沢東(もうたくとう)が大規模な政治運動「文化大革命」(1966~76年)を発動してから16日で55年。毛沢東の偉大さを強調してきた習近平(しゅうきんぺい)指導部の下、近年は、「10年の災禍」と呼ばれた文革への否定的評価を薄める動きが出ている。文革による暴力を経験した世代や改革派は警戒感を抱く。[br][br] 「社会主義建設の探索と曲折した発展」。共産党創建100年となる今年、2月に出版された党略史はこう題した章の一部で文革を取り上げた。2001年に出版され、10年に第2版が出た略史本で「内乱」と題して章全体を割いたのとは対照的だ。[br][br] 01年版は毛沢東の責任を強調し「重大な過ちを犯した」と指摘。今年はそうした記述は消え「帝国主義による敵視」や旧ソ連との関係悪化など「厳しい外部環境」が文革の背景だと強調した。[br][br] 「温家宝(おんかほう)から獅子像まで」。米国に拠点を置く中国ニュースサイト「多維新聞」は文革「希薄化」の動きをこう伝えた。文革に言及した温前首相の文章が最近インターネットで閲覧制限を受けたほか、北京の公園にある文革の被害を免れた獅子像の説明文から「文革」の文字が消えたとの投稿が話題になったためだ。[br][br] 改革派学者は「習指導部は文革が『苦難の探索』だったとの歴史観を広めようとしている」と警戒する。高校の歴史教科書からは一時期、毛沢東の過ちを説明したくだりから「誤り」や「内乱」といった記述が消えたが、昨年復活。70代の党員は「『観測気球』を揚げたが社会の批判が大きく、改変しきれなかった」とみる。 北京市内の公園にある獅子像。説明文から「文革」の文字が消えたと話題になった=14日(共同)