愛読され30年「貨物時刻表」 写真に魅力、売れ行きじわじわ増

 東青森駅に到着した貨物列車=2020年10月、青森市
 東青森駅に到着した貨物列車=2020年10月、青森市
日本全国を走る貨物列車のダイヤを網羅した「貨物時刻表」が毎年2万部に迫る売れ行きで人気を集めている。出版不況が続き、各交通事業者が相次いで紙の時刻表を廃止する中、一般販売されてから30年で発行部数が徐々に増加。貨物列車に乗車はできないが、巻.....
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 日本全国を走る貨物列車のダイヤを網羅した「貨物時刻表」が毎年2万部に迫る売れ行きで人気を集めている。出版不況が続き、各交通事業者が相次いで紙の時刻表を廃止する中、一般販売されてから30年で発行部数が徐々に増加。貨物列車に乗車はできないが、巻頭特集や読者投稿の写真掲載が魅力で、女性購入者の割合も増えている。[br][br] 旧国鉄が業務上の資料として作っていた貨物時刻表は、1978年から鉄道貨物協会が運送事業者向けに年1回発行。一般読者には91年から販売しており、現在1冊2500円だ。2020年の売り上げは約1万7千部と、新型コロナウイルス流行による大型書店の閉鎖を受けて落ち込んだが、21年は例年よりも売れ行きが好調という。[br][br] 紙や冊子の時刻表はインターネットやスマートフォンの普及により、配布を取りやめるケースが目立つ。全日本空輸や日本航空は約70年続いた紙の時刻表の刊行を終了。JR九州も冊子型を廃止した。経費節減や、環境意識の高まりといった背景もある。[br][br] 貨物時刻表では東北の奥羽線や九州の日豊線といった路線のダイヤだけでなく、巻頭で貨物駅の紹介や近年の鉄道貨物の動きなど詳しい情報も特集される。「ブルーサンダー」や「金太郎」などの愛称で親しまれる各機関車の特徴も説明。さらに冊子内の写真の多くは読者の応募作品だ。[br][br] ネット通販では電車好きの子どもから影響を受けたのか、女性の購入者も増えているという。[br][br] 鉄道貨物協会によると、読者からは「さまざまなコンテナを積んでおり、見ていて面白い」、「重い貨物を引っぱる機関車の姿に引かれる」といった感想が寄せられている。同協会の担当者は「鉄道ファンや写真を趣味にする方々のおかげで、貨物時刻表は市民権を得ている」と話した。 東青森駅に到着した貨物列車=2020年10月、青森市