迫る夏の大会「先輩の分も頑張る」 新中学3年生、コロナ下でも闘志

各競技の八戸市春季大会の様子。選手たちは先輩たちの思いも胸に、夏季大会での活躍を誓う(写真はコラージュ)
各競技の八戸市春季大会の様子。選手たちは先輩たちの思いも胸に、夏季大会での活躍を誓う(写真はコラージュ)
青森県内では4月末から今月上旬、中学生の各種スポーツ大会が開かれた。昨年は新型コロナウイルスの影響で春と夏の大会が軒並み中止となり、当時の最上級生は突如として活躍の場を失った。あれから1年。春の大会は開かれたものの、新型コロナの感染状況は厳.....
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 青森県内では4月末から今月上旬、中学生の各種スポーツ大会が開かれた。昨年は新型コロナウイルスの影響で春と夏の大会が軒並み中止となり、当時の最上級生は突如として活躍の場を失った。あれから1年。春の大会は開かれたものの、新型コロナの感染状況は厳しさを増し、夏の開催を懸念する声が漏れ始める。だが、先輩たちの悲しみを目の当たりにした新3年生は「先輩たちの分も頑張りたい」。先輩の悔しさも胸に、開催を信じて練習に打ち込む日々を送る。[br][br] 県内では昨年、新型コロナの影響で夏の県中学校体育大会が中止となった。地区大会の開催は各地区中体連の判断に委ねられたが、八戸地区では代替大会も含めて見送りに。最上級生は成果を発揮できないまま引退を余儀なくされた。[br][br] 当時の状況を振り返り、八戸市立市川中サッカー部の木村惇暉さん(14)=3年=は「大会がなくなり悔しそうな先輩の顔が印象に残っている」とうつむく。先輩7人は、部員不足で存続の危機に直面した部を支えたメンバーだったという。[br][br] 今夏の県大会。現時点では無観客で開催される方向で、予選となる八戸の地区大会は、6月19~21日に開催される見通しだ。[br][br] ただ、木村さんは「自分たちの大会もなくなるのではないか不安がある」と漏らす。それでも前を向き、「先輩たちがいた頃から、市中体、県中体優勝を目標に掲げてきた。大会があれば、今年こそ絶対に目標を達成する」と力強く話す。[br][br] 同市立第一中女子バスケットボール部の長根山莉乃さん(14)=同=も「最後の大会は、これまでやってきたことを無駄にしないようにしたい」と意気込む。[br][br] 昨年は、引退した先輩の前でその後に開催された秋季大会の話を持ち出し、険悪な雰囲気になったことがあったという。[br][br] しかし、卒業した先輩たちは、今では全力で応援してくれる。それだけに「今年は先輩たちの分まで私たちが頑張る」と決意を新たにする。[br][br] 夏の大会に向けては、各種競技団体なども開催を前提に調整する。県内で新型コロナの感染は昨年以上に拡大し、クラスター(感染者集団)も相次ぐが、できる限りの対策を講じ、実現させたい意向を示す。[br][br] 市中学校体育連盟の工藤慎治理事長(36)は「何とか開催したい。頑張ってきた生徒たちは今までやってきたことを信じ、自分の力を精いっぱい発揮してほしい」と語った。各競技の八戸市春季大会の様子。選手たちは先輩たちの思いも胸に、夏季大会での活躍を誓う(写真はコラージュ)