【トヨタ決算】強い調達力で好業績 震災で減産経験、教訓生かす

【解説】 トヨタ自動車が市場の予想を上回る好業績となった中で光ったのは約3万点に上るといわれる自動車部品を円滑に調達する力だ。世界的な半導体不足の中、減産を打ち出す他のメーカーをよそ目に強さを発揮した。 トヨタは東日本大震災の際、取引先から.....
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 【解説】[br] トヨタ自動車が市場の予想を上回る好業績となった中で光ったのは約3万点に上るといわれる自動車部品を円滑に調達する力だ。世界的な半導体不足の中、減産を打ち出す他のメーカーをよそ目に強さを発揮した。[br][br] トヨタは東日本大震災の際、取引先からの半導体の供給が途絶え、数カ月に及ぶ減産を経験。在庫を持たない経営方針を修正し、半導体は1~4カ月分を保有しつつ、細かい生産計画を共有することで取引先との信頼関係を構築してきた。[br][br] これらの取り組みは、新型コロナウイルス禍からの需要急回復に即座に対応することにつながり、増益の原動力となった。本業のもうけを示す営業利益を四半期ごとに見ると、2020年4~6月期は前年同期比で7250億円減、7~9月期も800億円減だったが、10~12月期と21年1~3月期はそれぞれ4千億円規模で増加し、急激な業績回復に成功した。[br][br] ただ、半導体不足が長期化する中、トヨタも「増産の計画を立てていたが慎重にみている」(幹部)と予定外の状況になっていることを認める。これまでの取り組みが引き続き通用するかどうかは不透明で、真価が問われる。