青森県を地盤とする青森銀行とみちのく銀行の両頭取は11日の本紙取材に、経営統合について「検討を行っている」と明らかにした。青銀の成田晋頭取は「具体的には正式に決まった段階で話す。前向きに進めていきたい」と話し、みち銀の藤澤貴之頭取は「地域にとって何が一番いい選択かを考えた上での判断」と述べた。[br][br] 両頭取は「決まったことは何もない」としているが、関係者によると、持ち株会社を共同で設立し、傘下に2行を置く案が浮上している。両行は14日に2021年3月期決算の会見を行う予定で、同日に協議入りを正式発表するとみられる。[br][br] 両行は11日、ホームページでも「経営統合に関して検討を行っていることは事実。開示すべき事実を決定した場合は速やかに開示する」とコメントを出した。[br][br] 経営統合を巡っては、20年9月にも取り沙汰され、両行は「協議の事実はない」と否定。ただ、「選択肢の一つ」とし、可能性を排除しなかった。それ以降、目立った動きはなかったが、水面下で統合を視野に入れた協議を進めてきた。[br][br] 県経済界を大きく揺るがす一報に、県商工会議所連合会の若井敬一郎会長は取材に「経営統合しやすい流れはできているが、クリアすべき課題は多い」と指摘。「地元企業を育てていくベクトルは両行共通している。いい方向に進んでほしい」と述べた。[br][br] 麻生太郎金融担当相は11日の閣議後記者会見で、青森県の地銀再編に触れ「経営基盤の強化で貸し出しの余力を高め、地域に貢献していく姿勢が大切だ。(各地銀が)努力しており、そのうちの一つの話だろう」と述べた。「(同じ地域で)争ってきた2行が仲良くやろうというのは難しい」とも語った。