「医福工」連携で経済振興 青森県、介護分野への参入後押し

青森ライフイノベーション戦略アクションプラン(2021~25年度)
青森ライフイノベーション戦略アクションプラン(2021~25年度)
急速な高齢化進展などで高まる医療や健康への関心。青森県はこうした「ライフ関連分野」を成長産業に位置付け、医療と企業の医工連携による製品開発や、美容健康素材「あおもりPG(プロテオグリカン)」の販路拡大に取り組んできた。2021年度からの5カ.....
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 急速な高齢化進展などで高まる医療や健康への関心。青森県はこうした「ライフ関連分野」を成長産業に位置付け、医療と企業の医工連携による製品開発や、美容健康素材「あおもりPG(プロテオグリカン)」の販路拡大に取り組んできた。2021年度からの5カ年戦略では、市場拡大が見込まれる介護分野を加えた「医福工」連携を推進。人手不足に対応するための省力化や、安全性向上に寄与する製品開発を促進し、県経済の成長につなげていく考えだ。[br][br] 県は高齢化や生活習慣病など先進国が直面する課題への対応をビジネスチャンスと捉え、ライフ関連産業の振興を目的とした「ライフイノベーション戦略」を11年度に策定。5年ごとに改定している。[br][br] 16~20年度は医療現場と企業の共同開発や意見交換会を展開。電気設備工事業の東奥電気(十和田市)が手術機器の管理システムを開発するなど、異業種からの参入を促し、医工分野への参入企業は15年度の80社から102社(19年度時点)に拡大した。[br][br] また、美容分野の柱に位置付けるPGの販売額も順調に推移。15年度に累計約108億円だった製品出荷額は20年度末に約271億円と大きく伸びた。[br][br] 一定の成果はあったが、課題も浮き彫りに。人体を扱う医療分野の製品開発はハードルが高く、参入を尻込みする企業も多い。美容分野では、ノウハウのある県外企業が製造するケースが大半で、PGの県内企業の出荷額は全体の15%程度にとどまっている。[br][br] 21~25年度の戦略では、現場の人手不足が深刻化する介護分野に着目。県は専門のコーディネーターを配置し、現場の声を拾い、県内企業の技術力で省力化や効率化を目指す。医療に比べて身近な介護分野への参入を促すことで、県内企業の事業拡大を後押しし、同じ課題に直面する県外にも積極的に売り込む方針だ。[br][br] 美容分野では、リンゴの機能性を生かした商品開発や化粧品の製造免許企業を増やし、県内で生産、製造、販売を担い経済を回す仕組みの構築を見据える。[br][br] 医福工連携コーディネーターを担当する21あおもり産業総合支援センターの三戸博樹さんは「県内企業は大企業の下請けが多く、技術力はあるが、1社依存の割合が高い」と指摘。「企業同士をつなげることで多様なニーズに応える製品が開発できる。事業の多角化で企業の持続的な成長を支えたい」と述べた。青森ライフイノベーション戦略アクションプラン(2021~25年度)