青森県農地中間管理機構を運営する「あおもり農業支援センター」は4日までに、農地中間管理事業の2020年度県内貸借実績をまとめた。貸借が成立した農地面積は1949・3ヘクタール(前年度比0・5ヘクタール減)で、過去最高の19年度と同規模を維持した。市町村別でみると、七戸町が174・5ヘクタールで2年連続トップ。主に水田の農地活用が中心だった。[br][br] 農地中間管理事業は、農地の貸し手が同機構を通じて借り手に貸与する仕組み。貸し手は一定の要件を満たした場合、国の機構集積協力金が支給される。耕作放棄地対策など、農地の有効活用にもつながる。[br][br] 県民局別の実績は、三八301・1ヘクタール(153・8ヘクタール増)、上北672・6ヘクタール(195・2ヘクタール減)、下北37・0ヘクタール(18・6ヘクタール増)だった。市町村別でみると、県南地方で100ヘクタールを超えたのは三沢、田子、七戸、東北の4市町。[br][br] 田子町は120・6ヘクタール(118・9ヘクタール増)と急増した。二戸市の事業者が飼料用の牧草を生産するため、同町で農地を借りたという。八戸市は70・4ヘクタール(25・8ヘクタール増)で、同事業が始まった14年度以降で最多となった。利用が増えた要因として、同市の積極的なPR活動が挙げられるという。[br][br] 同事業が始まった14~20年度で貸借が成立した累計面積は1万1321・2ヘクタール。地目別で水田約66%、畑約33%、果樹約1%。[br][br] 同センター農地集積・集約課の秋本実課長は「貸し手は協力金をもらえるなどメリットは多い。ぜひ事業の活用を検討してほしい」とアピールする。