【東京都議選まで2カ月】政権批判票、争奪戦の様相 「自公過半数」視界不良に

 東京都議会の議席構成と選挙協力の構図
 東京都議会の議席構成と選挙協力の構図
4月25日の衆参3選挙の与党全敗を受け、7月4日の投開票まで約2カ月に迫る東京都議選が混迷度を増している。選挙協力に合意した自民、公明両党は過半数獲得の構想が視界不良に。次期衆院選を占う政権批判票の行方は小池百合子知事が特別顧問を務める最大.....
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 4月25日の衆参3選挙の与党全敗を受け、7月4日の投開票まで約2カ月に迫る東京都議選が混迷度を増している。選挙協力に合意した自民、公明両党は過半数獲得の構想が視界不良に。次期衆院選を占う政権批判票の行方は小池百合子知事が特別顧問を務める最大会派「都民ファーストの会」や野党各会派による争奪戦の様相を帯びる。[br][br] ▽雪辱[br] 北海道と長野、広島の衆参3選挙から2日で1週間。「重く受け止めなければならない結果だ。都議選に影響がないとは言えない」。自民の現職都議は衝撃を引きずる。[br][br] 都議選は政権批判の風が直撃しやすく、都内の自民では、菅原一秀前経済産業相の現金配布問題や公判が続く秋元司氏=離党=を巡るカジノ汚職事件など地元選出の国会議員による不祥事も尾を引く。この都議は「有権者の目は厳しい。自分の再選もどうなるか分からない」と焦りを見せる。[br][br] 都議選は自民都連の雪辱戦となる。2017年の前回選は小池氏が率いる都民ファに大敗し、定数127のうち過去最低の23議席に低迷。既に59人の擁立を決め、3月に選挙協力を結んだ現有23議席の公明と共に過半数の64議席以上を目指す。公明は連携相手を前回選の都民ファから自民へ乗り換えた形だ。[br][br] ▽浮沈[br] 都民ファにとっては、前回選で追加公認を含む55議席獲得を支えた公明の支援を失うのは大きな痛手となり、小池氏による支援の度合いが浮沈の鍵を握る。新型コロナウイルス対策を理由にほぼ支援へ入らなかった昨年7月の都議補選では候補者が惨敗。逆に選挙カーの上でマイクを握った今年1月の千代田区長選は自公推薦候補を破った。[br][br] 都民ファ幹部は「知事とのツーショットポスターを張っているのはわれわれだけ」と強力なバックアップに期待するが、自民の二階俊博幹事長とも気脈を通じる小池氏の姿勢はまだ見えない。[br][br] この幹部は投開票日時点でまだ新型コロナのワクチン接種の遅れによる不満が続くと読み「政権批判の受け皿になりうる」と意気込む。ただ「小池旋風」の薄らぎで離党も相次ぎ、議席数は46に減少。候補擁立も4月末時点で44人にとどまる。[br] ▽主導権[br] 国政レベルでも情勢を注視。衆参3選挙の敗北を受け、自民内では「都議選をはじめとした地方選への影響は大きい」(中堅)と警戒感が広がる。党執行部の一人は、ダメージの残る自民の足元を見た小池氏が、都議選での主導権確保を目指し、得意とする発信力を強めるのではないかと指摘。「もし新型コロナ対応で国と対立の構図をつくられると、都民の民意が小池氏に傾く可能性がある」と懸念する。[br][br] 一方、野党は小池氏の新型コロナ対応の是非を争点化する考えだ。立憲民主党の福山哲郎幹事長は4月27日の記者会見で「東京はまさにコロナ対策だ。都議会は数が少ないので全員当選に向けて戦っていく」と述べた。[br][br] 自公と都民ファがいずれも過半数に届かず、都議会運営が不透明になれば新型コロナ関連の迅速な審議にも影響しかねない。各方面と微妙な距離感を保つ小池氏の出方が注目を集めそうだ。 東京都議会の議席構成と選挙協力の構図