【紀州のドン・ファン不審死】事業成功、一代で財築く/野﨑さんの半生

 野崎幸助さん(右)と元妻の須藤早貴容疑者=2017年12月(ジャーナリストの吉田隆氏撮影)
 野崎幸助さん(右)と元妻の須藤早貴容疑者=2017年12月(ジャーナリストの吉田隆氏撮影)
和歌山県田辺市の自宅で2018年に殺害されたとされる野崎幸助=当時(77)=は、金融や酒類販売などの事業が成功して一代で財を築き、資産家として知られた。欧州の伝説のプレーボーイになぞらえ「紀州のドン・ファン」としてテレビや週刊誌に何度も取り.....
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 和歌山県田辺市の自宅で2018年に殺害されたとされる野崎幸助=当時(77)=は、金融や酒類販売などの事業が成功して一代で財を築き、資産家として知られた。欧州の伝説のプレーボーイになぞらえ「紀州のドン・ファン」としてテレビや週刊誌に何度も取り上げられる一方、女性や金銭を巡るトラブルも多かった。[br][br] 近所の人や親族らによると、酒屋の家に生まれ、独立して複数の商売を手掛けるなど事業拡大に野心的だった。40年来の知人男性は「金融事業の宣伝で東京・永田町へ出向き、大手企業と取引するなどバイタリティーあふれる人だった」と振り返る。2億円近くを納税して高額納税者番付に名を連ねたこともあった。[br][br] 豪快な性格で「散髪のためだけに東京へ行っていた」と男性は話す。自身の近況を知らせる広告を地元紙にたびたび掲載。一方、通い慣れた飲食店の店主には「もう死にたいんや」と漏らすなど、孤独な一面もあった。[br][br] 女性や金銭を巡るトラブルも。16年2月には、野崎さん宅から現金や貴金属計6千万円相当を盗んだとして、交際していた当時20代の自称モデルの女が逮捕された。17年2月にも自宅で窃盗被害に遭った。[br][br] 自身の女性関係や半生を著した本が出版されるとテレビや週刊誌で話題に。50歳以上も若い須藤早貴容疑者(25)と結婚したのは18年2月だった。[br][br] 野崎さんは18年に出版した自伝で、須藤容疑者とみられる女性との出会いを詳述。17年秋に羽田空港で転んだのを助けてもらったことをきっかけに付き合いが始まり、東京や京都、和歌山でのデートを繰り返した。プロポーズの言葉は「ボクの最後の女性になってくれませんか」だった。[br][br] 脳梗塞を2度経験してからは、後遺症で歩くのに苦労し、ろれつが回らないこともあった。だが発病後は健康に気を付けており、月に2、3回は東京に通院。周囲に「覚醒剤はやらない」と話しており、野崎さんの親戚や知人は突然の死に不信感を募らせていた。 野崎幸助さん(右)と元妻の須藤早貴容疑者=2017年12月(ジャーナリストの吉田隆氏撮影)