【消費税の総額表示1カ月】「分りやすい」消費者は歓迎 事業者は表示に苦心

4月にスタートした総額表示の義務化。スーパーは本体価格を強調し、飲食店は義務化に合わせた料金設定をした店舗もみられた 
4月にスタートした総額表示の義務化。スーパーは本体価格を強調し、飲食店は義務化に合わせた料金設定をした店舗もみられた 
小売店などで商品の本体価格に消費税を含めた「総額表示」が4月1日に義務化されてから、間もなく1カ月。実際に支払う値段が分かりやすくなり、消費者からは「消費税分を計算する手間がなくなった」などと歓迎の声が聞かれる。一方、日常生活に欠かせない商.....
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 小売店などで商品の本体価格に消費税を含めた「総額表示」が4月1日に義務化されてから、間もなく1カ月。実際に支払う値段が分かりやすくなり、消費者からは「消費税分を計算する手間がなくなった」などと歓迎の声が聞かれる。一方、日常生活に欠かせない商品を扱うスーパーなどは、総額表示と合わせて本体価格を強調するケースもあり、消費者の買い控えにつながらないよう苦心する。飲食店では切りの良い税込み価格のメニューをつくるなど、義務化に合わせた料金設定に改めた店舗もみられる。[br][br] 総額表示は消費者側にとって、支払金額が分かりやすいという利点がある。八戸市の20代主婦は「今までは自分で計算していたので、楽になった」。同市の60代パート女性は「たまに計算しないでレジに行き、思ったより高くて驚くことがあった。税込み価格の表示だけでも良いと思う」と話す。[br][br] こうした消費者心理に反応し、スーパーなどは対策を講じる。北東北でスーパーを展開する「ユニバース」(同市)は従来、「本体価格+(税)」の表示にしていたが、3月中に税込み価格との併記に変えた。[br][br] 買い物客に「高くなった」という意識を持たれないように工夫するほか、生活必需品の価格を下げる「家計応援」企画も強化している。[br][br] 同市の生鮮食品スーパー「やまはる」も併記した表示を設定。中野正信社長は「お客さまはシビアに値段を見ていると思うので、なるべく高いというイメージは持ってほしくない。見て分かりやすく、価格を比較できるよう他店の表記に合わせた」と明かす。[br][br] 新型コロナウイルス禍が直撃する外食産業も、客離れの食い止め策を模索する。同市六日町の「イサバのかっちゃの店 肴町のらぷらざ亭」は、今年3月に再開したランチの価格を、千円や1500円など切りの良い金額にした。飲食業界の支援策「Go To イート」の食事券も500円で10枚セットとなっていることを踏まえ、畑中宏介支配人は「端数はつけずに払いやすい金額にした」と値段設定の理由を説明する。[br][br] 東北地方でホームセンターを展開する「サンデー」は、19年10月の消費増税に合わせて併記に移行済み。川村暢朗社長は総額表示の影響を踏まえた今後の消費者意識について、「コロナ禍が長期化する中で収入減や雇用不安があり、節約志向は今後も続くだろう」との見方を示した。4月にスタートした総額表示の義務化。スーパーは本体価格を強調し、飲食店は義務化に合わせた料金設定をした店舗もみられた