感動のニンニク、自分の手で 宮城出身の沢森さん、田子で就農

田子町地域おこし協力隊から農家となり、定住した沢森靖史さん。ニンニクやエゴマを栽培し、農業の可能性を探っている=3月、同町 
田子町地域おこし協力隊から農家となり、定住した沢森靖史さん。ニンニクやエゴマを栽培し、農業の可能性を探っている=3月、同町 
2014年に地域おこし協力隊として田子町に赴任し、17年の任期終了後、そのまま町に定住した沢森靖史さん(42)。町産ニンニクのおいしさに感動し、「自分の手で作ってみたい」と農家の道を選んだ。現在はニンニクを生産する傍ら、会社員時代の経験を生.....
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 2014年に地域おこし協力隊として田子町に赴任し、17年の任期終了後、そのまま町に定住した沢森靖史さん(42)。町産ニンニクのおいしさに感動し、「自分の手で作ってみたい」と農家の道を選んだ。現在はニンニクを生産する傍ら、会社員時代の経験を生かして農産物のインターネット販売にも取り組んでおり、「農業に固定概念のない移住者として、新たな可能性を探っていきたい」と力を込める。[br][br] 宮城県多賀城市で生まれ育ち、大学卒業後は秋田県の企業に就職。営業職として働く中で青森県を訪れる機会があり、「人がいいし、なじむ感覚があった」と振り返る。その後、実家の中古トラック販売会社や仙台市の家電量販店で勤務し、接客やインターネット販売のノウハウを学んだ。[br][br] 大学時代はグローバル経済とコミュニティー経済を研究。グローバル化の波が地方に押し寄せ、農業はプラント(植物工場)で大量栽培されるようになる―。そんな推測があることを知った一方、「集落の単位は簡単に合理化できるものではない。地方の暮らしを実際に体験してみたい」との思いを抱き、好印象が残っていた青森県で地域おこし協力隊となった。[br][br] 田子町では地域資源の発掘を担い、町内を回るうちに豊かな「食」に魅了された。「特にニンニク。初めて素揚げを食べた時は、野菜がこんなにおいしいなんてと感動した」。その思いが原動力となり、畑を借りてニンニク栽培を始めた。[br][br] 17年3月には町内で知り合った由華さん(41)と結婚。同年9月に任期が終了し、二人三脚の農家生活が始まった。現在はニンニクと無農薬栽培のエゴマを生産し、「お客さんに自分が味わった感動を提供できることがうれしい」と食に携わる喜びを感じている。[br][br] ただ、ニンニクは土づくりや種の更新、病気の予防など多くのことに気を配る必要がある。現在の目標は高品質なニンニクを作り続けること。会社員時代に身に付けたインターネット販売のノウハウも存分に発揮する考えだ。[br][br] 「農業は地方にとって切っても切れないなりわい。やり方に答えはなく、だからこそ、移住してきた自分が試行錯誤することに意味がある」。農業の未来を見据え、“第2のふるさと”になりつつある、田子の土を耕す日々は続く。田子町地域おこし協力隊から農家となり、定住した沢森靖史さん。ニンニクやエゴマを栽培し、農業の可能性を探っている=3月、同町