衆参3選挙、自民全敗 次期衆院選控え菅首相に痛手

 参院広島選挙区再選挙で当選が決まり、支援者から祝福される宮口治子氏(左)=25日夜、広島市
 参院広島選挙区再選挙で当選が決まり、支援者から祝福される宮口治子氏(左)=25日夜、広島市
菅政権発足後、初の国政選挙となった衆院北海道2区と参院長野選挙区の補欠選挙、参院広島選挙区再選挙が25日投開票され、自民党は不戦敗を含め全敗を喫した。立憲民主党など野党は4党共闘で臨み3勝。次期衆院選の前哨戦で菅義偉首相(自民総裁)に痛手と.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 菅政権発足後、初の国政選挙となった衆院北海道2区と参院長野選挙区の補欠選挙、参院広島選挙区再選挙が25日投開票され、自民党は不戦敗を含め全敗を喫した。立憲民主党など野党は4党共闘で臨み3勝。次期衆院選の前哨戦で菅義偉首相(自民総裁)に痛手となった。衆院議員任期満了が10月に迫る中、首相の衆院解散戦略に影響を与えるのは必至。与党内で早期解散への慎重論と、首相の下での衆院選に懸念が出そうだ。[br][br] 自民は北海道2区で候補を擁立せず、激戦の広島、長野で公明党の推薦を得て戦った。保守地盤の広島を含めた全敗は、「政治とカネ」や新型コロナウイルス対応を巡る政権批判の根強さを裏付けた。自公は広島で支持団体の引き締めを図ったが、2019年参院選を巡る公選法違反事件の余波で、十分な選挙運動を展開できなかったことが響いた。[br][br] 自民の山口泰明選対委員長は、政治とカネが敗因と認めた上で「有権者の審判を厳粛に受け止める」と党本部で記者団に語った。公明の石井啓一幹事長は政権運営への影響に懸念を示した。[br][br] 野党は連合を中心とした組織票をまとめ、政権批判票を取り込んだ。広島では、衆院選の野党共闘を占うとみて総力戦で挑んだことが奏功した。[br][br] 立民の福山哲郎幹事長は「菅内閣に極めて厳しい審判が下された。政治とカネなどの不祥事やコロナ対応に国民の不信感が募った結果だ」と党本部で記者団に述べた。[br][br] 広島は、公選法違反(買収)で有罪が確定した河井案里前参院議員(自民離党)の当選無効に伴う再選挙で、諸派新人宮口治子氏(45)=立民、国民、社民推薦=が共産党の支援も受けて自民新人を破った。[br][br] 収賄事件で吉川貴盛元農相(自民離党)が議員辞職したのに伴う北海道2区補選は、立民元職の松木謙公氏(62)=国民、社民推薦=が共産の支援も得て5選を果たした。[br][br] 立民の羽田雄一郎元国土交通相の死去に伴う長野補選は、弟の立民新人羽田次郎氏(51)=共産、国民、社民推薦=が自民新人らを退け初当選。「弔い合戦」と位置付け、幅広く浸透した。 参院広島選挙区再選挙で当選が決まり、支援者から祝福される宮口治子氏(左)=25日夜、広島市