バチカン、コロナで財政難 観光客激減、枢機卿の給与カットも

 21日、バチカンで語るローマ教皇フランシスコ(ロイター=共同)
 21日、バチカンで語るローマ教皇フランシスコ(ロイター=共同)
【ローマ共同】キリスト教カトリックの総本山バチカンが新型コロナウイルスによる財政難に見舞われている。観光客が激減し、歳入の主要な部分を占めるバチカン博物館の入場料収入はパンデミック(世界的大流行)前の水準に程遠い。4月から枢機卿の給与カット.....
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 【ローマ共同】キリスト教カトリックの総本山バチカンが新型コロナウイルスによる財政難に見舞われている。観光客が激減し、歳入の主要な部分を占めるバチカン博物館の入場料収入はパンデミック(世界的大流行)前の水準に程遠い。4月から枢機卿の給与カットも開始したが、今年は5千万ユーロ(約65億円)近い財政赤字が見込まれている。[br][br] 元首のローマ教皇フランシスコは「新型コロナのまん延が引き起こした緊急事態が全ての財源に悪影響を及ぼした」と指摘。信者の寄付や不動産運用による収入も減少しているという。[br][br] ミケランジェロが描いた「最後の審判」があるバチカン博物館はコロナ前には年間600万~700万人が訪れ、入場料収入は約1億5千万ユーロに上っていたが、昨年の訪問者数は前年比8割減。現在閉鎖中で、来月から再開する予定だが厳しい人数制限が必要とみられている。[br][br] バチカンは経費削減策として不急の建物改修や宗教行事を中止し、教皇に次ぐ高位聖職者である枢機卿の給与を1割減とすることも決めた。世界に約220人いる枢機卿の給与は月4500~5千ユーロと推定されている。教皇は元々、無給。[br][br] ゲレーロ・アルベス財務事務局長官はバチカン公式メディアに、今年の歳入は2019年から約30%減の2億1300万ユーロと見込んでおり、歳出は教皇庁の近年の歴史でも最少額になると強調。「寄付金が入ってこなければ、可能な限りの節約以外、できるのは準備金に手を付けることだけだ」と嘆いた。 21日、バチカンで語るローマ教皇フランシスコ(ロイター=共同)