先端技術の主導権争い激化 中国、IT業界も参入

 中国で開幕した上海国際モーターショーに出展したトヨタ自動車のブース=19日(共同)
 中国で開幕した上海国際モーターショーに出展したトヨタ自動車のブース=19日(共同)
世界最大の自動車市場、中国で19日に始まった上海国際モーターショーに、日系各社がこぞって電気自動車(EV)などの新型車を出展した。中国ではITなど異業種からの新規参入も相次ぎ、先端技術を巡る主導権争いが激化。米中対立による中国封じ込めという.....
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 世界最大の自動車市場、中国で19日に始まった上海国際モーターショーに、日系各社がこぞって電気自動車(EV)などの新型車を出展した。中国ではITなど異業種からの新規参入も相次ぎ、先端技術を巡る主導権争いが激化。米中対立による中国封じ込めという不安要素も影を落とす。[br][br] ▽猛アピール[br] 「どの地域よりも電動化がスピーディーな中国で普及拡大に取り組んできた」。トヨタ自動車の前田昌彦執行役員は力を込めた。2060年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする中国の環境目標に触れ、25年までにハイブリッド車(HV)も含む電動車を20車種以上発売すると猛アピールした。[br][br] 日本メーカーにとって中国は日米と並ぶ重要市場。新型EVを初披露したホンダの井上勝史・中国本部長は、世界展開も視野に入れ、中国で5年以内に10車種のEVを投入すると述べた。[br][br] ▽異業種[br] EVで重要なのは電池性能やモーターの制御だ。今後は自動運転が普及し、安全確保のために高度な通信技術も必要になる。中国では、こうした分野を得意とするIT企業などが続々と参入を決めている。[br][br] 地図アプリを手掛けるインターネット検索大手の百度(バイドゥ)は、中国大手と組んでEVの製造販売に乗り出す方針だ。小型無人機ドローンの世界最大手DJIもネットや人工知能(AI)を駆使した「スマート自動車」のシステム分野に本格参入する。担当者は「センサー技術を大量に蓄積してきた」と優位性を強調した。[br][br] ▽米中対立[br] 「(米EV大手の)テスラよりずっと優れている」。中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の徐直軍輪番会長は今月、広東省深圳で開いたセミナーで自動運転技術を自画自賛した。人の関与なしで千キロの走行も可能だとして、米国企業への対抗意識をあらわにした。[br][br] ハイテク分野での米中覇権争いは激しさを増している。米政府が中国企業への圧力を強めれば、中国企業と合弁を組む日系各社の戦略にも影響が及ぶ恐れがある。[br][br] 日産自動車の山崎庄平専務執行役員は、米中対立の行方は不透明だが、それでも「中国企業との連携を検討する必要がある」との考えを示した。(上海共同) 中国で開幕した上海国際モーターショーに出展したトヨタ自動車のブース=19日(共同)