12日から始まった新型コロナウイルスワクチンの高齢者接種を受けた人が約1万5千人に上ることが18日、共同通信の調査で分かった。接種数を把握していない自治体も多く、実際はもっと多いとみられる。約3600万人を対象に接種が始まって19日で1週間。国が公表しているのは約6700人で、2倍以上の差が開いた。[br][br] 国は接種状況をリアルタイムに把握して一元管理する新システムを構築し活用しているが、内閣官房の担当者は「予診票を回収してからまとめてシステムに入力するところもあり、集計に反映されるまで時間差があるようだ」と説明している。円滑な接種に向けて迅速な情報発信が課題となる。[br][br] 調査は、高齢者向けワクチン第1弾の100箱(1箱約500人分、計約5万人分)の配送先として厚生労働省が公表した全国の148の市区町村や47都道府県を対象に、16日に実施。高齢者への接種数などを調べた。[br][br] この結果、全国で1万4994人にワクチンが接種されたことが分かった。ただ63の市町村は接種数を把握していなかったり、まだ接種を始めていなかったりした。理由として「集計の仕組みが整っていない」(富山市)などの回答があった。青森県は237人、岩手県は30人。[br][br] 厚労省は一定の条件を満たせば高齢者向けワクチンを高齢者施設で働く職員や医療従事者に使うことを認めており、集計にはこれらの職種への接種数も一部含まれる。感染リスクが高い医療従事者への国のワクチン供給が追いついていない現状があり、少なくとも19市町村が高齢者用を転用して医療従事者に接種していた。[br][br] 予約の当日キャンセルなどで接種されずに廃棄されたワクチンも一部の自治体であった。[br][br] 政府の計画では、第2、第3弾として月内に発送するワクチンの量は各500箱と限られている。26日の週に全1741市区町村に各1箱発送されるワクチンが届いた後、5月から接種は本格化する見通し。