天鐘(4月17日)

第1次世界大戦の戦勝に酔う米国。フィラデルフィアの戦勝パレードには20万人が参加。踊り抱き合い騒いだ。戦地から紛れ込んだスペイン風邪が米全土に蔓延(まんえん)した一場面だ▼「3密」への無知と無策が1万5千人もの命を奪い、一方、正しく恐れ、即.....
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 第1次世界大戦の戦勝に酔う米国。フィラデルフィアの戦勝パレードには20万人が参加。踊り抱き合い騒いだ。戦地から紛れ込んだスペイン風邪が米全土に蔓延(まんえん)した一場面だ▼「3密」への無知と無策が1万5千人もの命を奪い、一方、正しく恐れ、即座に都市を封鎖したセントルイスは、死者を2千人程度に食い止めた。その違いは余りに大きく、無知の怖さを心底思い知らされた▼東京五輪について二階俊博自民党幹事長が15日、「無理ならすぱっとやめないといけない」「東京五輪で蔓延させてしまっては何のための五輪か」と述べ、波紋を広げている。字面を読めば至極当たり前の発言だ▼多くの国民も蔓延する変異株と遅れるワクチンに“異次元の恐怖”を感じている。国内世論は各紙世論調査も中止・再延期が7割強。世界の世論は「世界にとってもリスクが大きすぎる」と8割強が批判的だ▼森喜朗組織委前会長は「コロナがどうだろうと必ずやる」と高唱し続けて顰蹙(ひんしゅく)を買い、二階氏も負けず劣らずの前のめり。その幹事長が後に釈明しても、一旦口にした言葉は尾ひれはひれが付いて政界を飛び回る▼「幹事長の豹変(ひょうへん)か。菅降ろし?」と喧(かまびす)しい。あと3カ月。ワクチン接種はイスラエル62%、英国47%、米国37%…日本は0・9%。争奪戦の敗者を変異株が襲う。集団免疫も時既に遅しだ。むしろ政府のやる気、本気度を問いたい。