未明の被災地、広がる祈り/熊本地震「本震」から5年

 熊本県益城町の木山仮設団地で、本震の発生時刻に合わせ、黙とうする人たち=16日未明
 熊本県益城町の木山仮設団地で、本震の発生時刻に合わせ、黙とうする人たち=16日未明
熊本、大分両県で災害関連死を含め計276人が犠牲になった熊本地震は16日、2度目の激震「本震」の発生から5年を迎えた。「いち早い復興を」。被害の大きかった熊本・阿蘇地域や益城町では、住民らが午前1時25分の発生時刻に祈りをささげた。 熊本県.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 熊本、大分両県で災害関連死を含め計276人が犠牲になった熊本地震は16日、2度目の激震「本震」の発生から5年を迎えた。「いち早い復興を」。被害の大きかった熊本・阿蘇地域や益城町では、住民らが午前1時25分の発生時刻に祈りをささげた。[br][br] 熊本県南阿蘇村の黒川地区では、近くにあった東海大農学部に通う学生3人がアパートの倒壊で亡くなった。冷たい風が吹き付ける中、午前0時すぎ、卒業生の橋村さくらさん(26)が在学生8人と共に現場のアパート跡地を訪れ、静かに手を合わせた。[br][br] 犠牲者と面識があった橋村さん。「地震が過去の記憶になっていく。どうすれば彼らが生きられたのか、考えてほしい」と後輩に語り掛けた。[br][br] 村内にある阿蘇大橋のたもとでは、車ごと土砂崩れに巻き込まれて亡くなった大学生大和晃さん=当時(22)=の両親らが飲み物や菓子を供えた。[br][br] 今も被災者152人(3月末現在)が身を寄せる同県益城町の木山きやま仮設団地。竹灯籠にともされた明かりが集まった十数人を包んだ。[br][br] 「大変な時に助け合ったみんなの元気な顔が見られ、安心した」。約3年8カ月間団地で暮らし、災害公営住宅に移った女性(75)も発生時刻に黙とう。女性は「いち早い復興を祈るだけです」と話した。 熊本県益城町の木山仮設団地で、本震の発生時刻に合わせ、黙とうする人たち=16日未明