日本漂着の北朝鮮船9割減/20年度後半、青森はゼロ

 青森県の日本海沿岸に流れ着いた北朝鮮からとみられる船=2019年11月、深浦町(青森海上保安部提供)
 青森県の日本海沿岸に流れ着いた北朝鮮からとみられる船=2019年11月、深浦町(青森海上保安部提供)
北朝鮮からとみられる船の日本海沿岸への漂着事案は2020年10月~21年3月の半年間に13件で、1年前の141件から9割減ったことが15日、海上保安庁への取材で分かった。朝鮮半島情勢に詳しい北陸大(金沢市)の福山悠介教授は「新型コロナウイル.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 北朝鮮からとみられる船の日本海沿岸への漂着事案は2020年10月~21年3月の半年間に13件で、1年前の141件から9割減ったことが15日、海上保安庁への取材で分かった。朝鮮半島情勢に詳しい北陸大(金沢市)の福山悠介教授は「新型コロナウイルスの水際対策を徹底したい北朝鮮が、日本海での違法操業を自粛していることが背景にあるようだ」と分析。半面、中国船の違法操業は急増しており、海保が警戒を強めている。[br][br] 北朝鮮からとみられる船は、日本の排他的経済水域(EEZ)内にあり、日本海の好漁場である「大和堆(やまとたい)」周辺で違法操業し、魚介類を海上で他の外国船に売り渡して外貨を得ていることが知られている。夏から冬にかけてスルメイカやズワイガニなどを取るが、多くは小型の木造船で、台風や荒波で難破すると、北西からの風が強まる秋から冬に日本海沿岸へ流れ着く。乗組員の遺体が見つかることもある。[br][br] 海保は、漂着船が使用する木材や船体の文字などから、北朝鮮からの可能性が高いかどうか判定し、件数を集計。漂流中に船体が二つに割れて、別の場所に流れ着いた場合は2件と数えている。[br][br] 集計によると、18年10月~19年3月の219件が19年度後半は141件と3割減り、20年度後半はさらに少なくなった。13件の県別漂着地は山形2、新潟2、石川4、福井2、島根3。例年漂着が多い北海道や青森県は異例のゼロだった。[br][br] 海保の船は、違法操業の外国船を発見すると、EEZ外への退去を警告、従わない場合は放水などに踏み切る。19年に大和堆周辺で退去を警告した北朝鮮からとみられる船は1300隻を超えたが、20年は違法操業の確認はゼロだった。[br][br] 一方、退去警告した中国からとみられる船は19年の12隻から20年は107隻に増えた。福山教授は「中国が大和堆での漁を活発化させているのは、北朝鮮から漁業権を買ったためとみられる」と指摘。海保は「水産庁の取締船と連携しながら厳正に対処する」とした。 青森県の日本海沿岸に流れ着いた北朝鮮からとみられる船=2019年11月、深浦町(青森海上保安部提供)